カードローンやキャッシングは、お金が足りないときの強い味方です。
しかし、キャッシングのリボ払いとカードローンの違いをはっきりと理解して使っているでしょうか。
リボ払いの仕組みをよく理解していないと、余分な金利手数料ばかりを払い、完済まで長期化してしまうかもしれません。
以下ではリボ払いとはどのような支払方法かを説明し、カードローンとの違いなどを解説します。
リボ払いは非常に便利なサービスです。
仕組みをよく理解した上で、安全に活用するようにしましょう。
リボ払いとはどんなもの?
リボルビング払いとはクレジットカードの支払い方法の一つです。
略称でリボ払いと呼ばれています。
リボ払では、利用金額や利用回数に関係なく、支払額がほぼ一定の額面になります。
分割払いとリボ払いは何が違うのか
よく似ている支払方法に「分割払い」がありますが、どのような点でリボ払いと異なるのでしょうか。
分割払いでは支払い回数が固定
リボ払いが支払額を固定するのに対し、分割払いでは支払い回数を決定します。
リボ払いでは利用金額や利用回数に関係なく、支払額がほぼ一定です。
対して、分割払いの支払額は利用金額や利用回数によって変化します。
なお、分割払いやリボ払いは、利用するにあたって金利手数料が発生します。
カードローンの主な特徴は?
カードローンとは、お金の使い方を問わない、個人向けの無担保融資です。
担保がないため、個人の信用が重視されます。
カードローンでは貸付限度額を決定して契約を行います。
そのため、借入金を完済したとしても、契約が終了されません。
貸付限度額の枠内であれば、何度でもお金を借りられます。
カードローンは使用目的が自由
カードローンは、自動車ローンや住宅ローンとは違い、融資を受けたお金の使い方は自由です。
普通のローンでは契約時に決められた目的以外のお金の使い方はできません。
では、使い方が自由なフリーローンとはどの点で異なるのでしょうか。
カードローンは契約の枠内であれば何度でも融資可能です。
一方フリーローンは、追加融資を受けるには再度審査を受けなければなりません。
お金の返し方はリボ払いが主流
カードローンの返済方法は、あらかじめ決められた返済額を月々支払う、「残高スライド定額リボルビング方式」が一般的です。
この返済方式では、月々の返済額から支払い利息を差し引いた額面が、元金の返済に当てられます。
キャッシングのリボ払いとカードローンの違い
クレジットカードのキャッシングとカードローンは、どちらもリボ払いによる返済が一般的です。
では、両者に違いは無いのでしょうか。
違いはリボ払いの方式にある
両者がリボ払いを行っている点では違いがありません。
ただし、キャッシングサービスを行っている会社それぞれで、リボ払いの方式が異なってきます。
リボ払いには様々な種類がある
日本国内のキャッシングやカードローンの返済で行われるリボ払いは「元利定額リボルビング方式」と「元金定額リボルビング方式」の2つです。
「元利定額リボルビング方式」では、元金と利息を合わせた一定の金額を返済します。
「元金定額リボルビング方式」では、定額に設定した元金の返済額に、利息をくわえた額を、毎月返済します。
リボ払いでありながら、月々の返済額が変動するため、支払額の管理が難しい方式です。
「定額」か「スライド」か
また、リボ払いは「定額方式」か「スライド方式」かの違いがあります。
「定額方式」では常に支払額は一定ですが、「スライド方式」では支払残高がいくら残っているかによって、毎月の支払額が変化する支払い方式です。
例えば以下のような取り決めを行うのが「スライド方式」です。
- 借入れ残高が10万円以上 毎月2万円の返済
- 借入れ残高が10万円未満 毎月1万円の返済
この取り決めに従って利用者が20万円借入れたとすると、毎月の返済額は2万円です。
そのまま返済を続けていき、借入れ残高が10万円未満になると、返済額は1万円へと変動します。
クレジットカードとカードローンの違いは
クレジットカードは基本的に、買い物などの代金を利用者に代わって支払うことを目的にしています。
一方カードローンは、お金を貸すことが目的です。
クレジットカードにとって付帯サービスでしかないキャッシングは、金利が高く設定されています。
対して、カードローンの金利は低く抑えられています。
特に銀行系カードローンは金利が低く設定されていることが多いです。
リボ払いをするメリットは?
リボ払いにするメリットには次のようなものがあげられます。
定額だから返済計画が立てやすい
リボ払いは月々の支払いに必要な額面がわかるので、お金の管理や返済が簡単です。
先々の支払い計画も立てやすくなります。
また、多少借入金が大きくなったとしても、支払額は変化しません。
そのため、家計に無理な負担をかけることなく、キャッシングを利用できます。
繰上げ返済で元金を減らせる
リボ払いが一般的に採用されているとはいえ、繰上げ返済もできます。
リボ払いでは、月々の支払額に合わせて繰上げ返済を行うと、余分に支払った額面すべてを元金に充当できます。
キャッシングは元金が残っているほど多くの利息を支払わなければなりません。
元金を減らせる、一括返済や繰上げ返済は完済への近道です。
リボ払いで考えなければならないデメリット
リボ払いには次のようなデメリットもあります。
すぐには元金が減らない
リボ払いの月々の返済額は「金利手数料」と「元金」を合わせたものです。
借入金の返済をはじめてしばらくは、元金がたくさん残っているため、多くの金利手数料が発生します。
しかし、リボ払いは定額支払いのため、返済額の多くは金利手数料に充当されてしまい、元金が減りません。
また、リボ払いは分割払いなどの支払い方法に比べて、金利が高く設定されています。
この高い金利も元金を減らしづらい一因となっています。
借入れ残高の管理が難しい
リボ払いは月々の支払額が一定なので、支払いの管理をしやすい返済方法です。
ですがその反面、借入金残高の把握が難しくなります。
リボ払いにはどんな危険性がある?
リボ払いは返済が負担となりにくい便利な支払い方法です。
ですが、その便利さには気をつけるべき面も含まれています。
返済期間が長期化しやすい
リボ払いは支払額が定額であるため、返済したお金の多くが金利手数料の支払いに当てられます。
元金の返済が難しくなり、キャッシングの利用期間を長期化させる危険性があります。
また、返済期間が長引くと、返済総額が膨れ上がるため注意しなければなりません。
借入金を増やしやすい
リボ払いでは、借入金を増やしても返還額が一定なので、気軽に追加融資を受けやすいです。
リボ払いをしながら追加融資を受けると、元金が増えてしまうため、返済期間が伸びてしまいます。
残高が減っていないのに安心する
リボ払いではいつまでも金利手数料を支払い、元金がぜんぜん減っていないということがあります。
ですが、毎月定額の返済を行っているため、残高が減らない状況でも安心してしまいがちです。
自動リボ払いに要注意!
自動リボ払いとは、カードを利用した際に、その支払いを自動的にリボ払いとして取扱い、月々の支払額を一定にするサービスです。
自動リボ払いのメリット
自動リボ払いによって、カードを使いすぎたときでも高額な支払いを受けることがありません。
安心してカードでの支払いやキャッシングを行えるようになります。
自動リボ払いでは支払い時の負担が少ないので、返済計画が立てやすいです。
月々の請求額が一定になるため、毎月の支払い管理がしやすくなる効果もあります。
自動リボ払いには注意が必要
自動リボ払いは、利用するほどに借入れ残高の把握が難くなります。
利用者が気づかないうちに金利手数料を多く負担しているかもしれません。
また、支払い方法に自動リボ払いを選択すると、カードでの支払いがすべてリボ払いとなるので、元金や利息が膨れあがりやすくなります。
気づかない間に自動リボ払いになっているかも
最近では、リボ払い専用のカードが増えています。
リボ払い専用カードでなくとも、初期設定のまま使えばリボ払いで支払われるカードもあります。
支払い方法には注意しましょう。
リボ払いの借金を完済するための対策方法
リボ払いは返済期間が長くなるほど、金利手数料が膨れ上がり、返済総額が増えてしまいます。→「リボ払いは分割払いより損!リボ払いでどれくらい損なのか?」
「毎月返済をしているのに借入金残高が減っていかない」そんな状態を解決するために、完済に近づくための、3つのポイントを紹介します。
繰上げ返済で元金を減らそう
リボ払いの返済で行き詰まる理由は、頑張って毎月返済しても借入残高がなかなか減らないところにあります。
借入れ残高が減らないままでは、たくさんの金利手数料が発生し続けます。
金利手数料ばかりを払っていては、いつまでたっても借金から逃れることはできません。
リボ払いの連鎖から脱却するためには、繰上げ返済を行って借入れ残高を減らすことが大切です。
ほんの少しだけでも返済額を増やす
リボ払いの返済額の内訳の多くは金利手数料に割り当てられるため、月々決められた額だけを返済していては元金は減りません。
元金を減らすためには、月々の支払額だけでなく、少し余分に返済するようにしましょう。
月々5000円だけでも、返済に大きな影響を与えます。
余分に支払ったお金は、すべて元金に充当されるからです。
金利手数料も少なくなり、返済が一気に近づきます。
貯金や預金も返済にあてる
貯金や預金があるなら返済にあててしまいましょう。
銀行に預けて得られる利息よりも、リボ払いで支払わなければいけない金利手数料の方がはるかに大きいです。
リボ払いを完済すれば、貯金はその後にもできます。
身近な人からお金を借りて完済
もしも家族や身近な人からお金を借りられるのなら、借りたお金で一気に返済しましょう。
身近な人からお金を借りるときは、理由を素直に話すようにしましょう。
そして、人間関係を壊さないために、何があっても約束通りにお金を返さなければなりません。
低金利のカードローンに借り換えをする
キャッシングのリボ払いよりも、一般的に銀行系カードローンの方が金利は低いです。
そのため、リボ払いから銀行系カードローンに乗り換えるのもよい方法です。
カードローンには乗り換えを対象にした、おまとめローンなどのサービスもあります。
ボーナス払いなど支払方法を変更
カードの支払い方法を変えてしまうことで、金利手数料を大幅に小さくできます。
例えばリボ払いからボーナス一括払いにすると、支払いを最大で半年間先延ばしにできるだけでなく、手数料が発生しません。
一括払いや複数回支払いなど、手数料が発生しない支払い方法への切り替えを検討してみましょう。
支払いに行き詰まったら債務整理
これらの方法を使っても完済までの道が見えないときは、債務整理を考えてはいかがでしょうか。
債務整理することで、支払い方法や利息などについて、カード会社と話し合えるかもしれません。
場合によっては、債務額の減免や支払いの猶予などの措置を得られる可能性があります。
ですが、債務整理をしようにも、行き詰まってからでは動けません。
少し余裕があるうちに準備するようにしましょう。
他の支払い方法はどんなものがある?
クレジットカードやカードローンでは、リボ払い以外にもいくつかの支払い方法があります。
支払い方法はさまざま
「1回払い」は定番の支払い方法
最も多く使われる「1回払い」は、手数料が必要ありません。
あらかじめ支払い日を決定しており、カード代金は利用日の30日から50日後にくる支払い日に決済します。
「回数払い」は使えないカードもある
「回数払い」は、カード会社によっては「2回払い」「複数回払い」などと呼ばれることもある支払い方法です。
「1回払い」と同じく手数料が要らないにもかかわらず、分割で払えます。
ただし、すべてのカード会社が行っているサービスではありません。
「ボーナス一括払い」で金利をお得に
「ボーナス一括払い」は、カードで支払いをした、翌ボーナス時期に一括で決済を行います。
「1回払い」や「回数払い」と同じく、手数料がかからない支払い方法です。
「指定月一括払い」で支払い月を決める
「指定月一括払い」は、カード利用日の翌月もしくは翌々月から、半年以内の指定月に一括して決済する支払い方法です。
指定月は自分で決定できるので、ボーナス時期が普通の会社員とは違う人に便利です。
手数料はかかりません。
繰上げ返済で確実に元金を減らせる
毎月のローン返済だけでなく、さらにローン返済を行うことを「繰上げ返済」といいます。
「繰上げ返済」で支払われたお金は、すべて元金に充当されます。
「繰上げ返済」をすると、借入れ残高が減り、その分の利息が発生しません。
リボ払いを選ぶ前に支払方法を考えよう
リボ払いは毎月の支払いを安定にさせますが、金利手数料が発生します。
そのため、カードの支払い方法はよく考えて選ばなければなりません。
「1回払い」や「回数払い」などで完済ができないのかを検討し、安易にリボ払いを選んで借入金を増やさないようにしましょう。
リボ払いからカードローンに借り換えたほうがお得?
リボ払いは一般的に金利が高いため、金利が低い銀行系カードローンに切り替えることで、金利手数料を大幅に少なくできるかもしれません。
消費者金融のカードローンでは金利が高くなることも
銀行系カードローンとは違い、消費者金融のカードローンに乗り換えると、利息が逆に高くなってしまうことがあります。
金利の差が小さく、借入額もあまり大きくないときは、リボ払いからカードローンに乗り換えをしても、あまり金利手数料を削減できません。
100万円を超えるときは乗り換えがおすすめ
カードローンは100万円を越すような高額融資になるほど、金利が下がりやすくなっています。
複数カードでリボ払いがあるときには、1社のカードローン会社にまとめて借り直しをすると利息の面でお得です。
おまとめローンなど、他社乗り換えを前提にした有利な金利プランを用意しているカードローン会社も少なくありません。
乗り換えを考えているなら、それらのプランも検討するとよいでしょう。
リボ払いとカードローンの利息はどれだけ違う?
リボ払いとカードローンでは、総支払額に大きな違いが生まれます。
以下では、借入金が100万円で金利手数料が18%のキャッシングリボ払いと、借入金100万円で利息12%のカードローンを比較します。
キャッシングリボ払いとカードローンの支払い
キャッシングリボ払いでの支払い
金利手数料18%で100万円を借入れると、1年で発生する金利は18万円です。
仮に2万円ずつを
元利均等返済方式で返済すると、返済回数は94回で総額は1,862,137円になりす。
返済額 | 20,000円 |
返済回数 | 94回 |
金利手数料総額 | 862,137円 |
返済総額 | 1,862,137円 |
カードローンの支払い
金利12%のカードローンで100万円を借入れると、年間利息が12万円となります。
返済回数94回で借入れると次のようになります。
返済額 | 16,460円 |
返済回数 | 94回 |
利息総額 | 862,137円 |
返済総額 | 1,547,213円 |
金利12%のカードローンで100万円を借入れ、月2万円ずつ返済すると、次のようになります。
返済額 | 20,000円 |
返済回数 | 70回 |
利息総額 | 393,186 円 |
返済総額 | 1,393,186円 |
利息差があればカードローンへの乗り換えはお得
同じ100万円の借入れでも、金利が6ポイント違えば、リボ払いよりも利息総額が314,924円安くなります。
月々の返済額を20.000円で揃えた場合、その差はより明白です。
リボ払いよりも利息総額が468,951円安くなり、支払い回数も24回減ります。
なお、カードローンとリボ払いの金利差があるほど、利息の支払額の差も大きくなります。
リボ払い残高でカードローンの審査は不利になる?
リボ払いからカードローンに乗り換えるためには、まずカードローン会社の審査を通過しなければなりません。→「審査の緩いカードローンは存在するのか?審査基準の違いとは?」
しかし、利用者に信用がなければ審査に落ちてしまう場合もあります。
リボ払い残高が残っている
キャッシングをしていなくても、リボ払いの残高があるならば、その利用情報は、信用情報機関に登録されています。
そのため、リボ払い残高が多い場合や、複数のカードでリボ払いをしていると、カードローン審査に通り難くなります。
カードローン会社は、支払い見込み額以上のお金の貸付を禁止されているからです。
リボ払い残高があまりにも多いと、支払い見込額が目減りしてしまい、審査の際に不利になります。
延滞や滞納履歴があると審査に不利
リボ払いの取引履歴は信用情報機関に登録されています。
その中で気をつけなければいけないのが、金融事故についての情報です。
リボ払いの支払いの延滞や滞納を続けると、信用情報の傷として信用情報機関に保管されます。
ほとんどのカードローン会社は信用情報に傷がついている人とは契約を結びません。
これからカードローンの審査をしてみようと考えている人は、支払いの延滞や滞納を起こさないように注意しましょう。
カードローン審査に無事に通るには?
リボ払いの残高が残っていると、カードローンの審査には不利に働きます。
しかし、リボ払いで返済中だからといって、カードローンの審査に必ず落ちてしまうというわけではありません。
リボ払いの残高を減らす
リボ払いがカード審査に影響を与えるのは、その借入れ残高が多い場合です。
そのため、リボ払いの残高を減らすと、カードローンの審査に効果的です。
普段から繰上げ返済を行って、少しずつ借入れ残高を少なくするようにしましょう。
銀行系カードローンには審査申込をしない
リボ払いの残高が多いなら、銀行系カードローンの審査申込は避けた方がよいでしょう。
銀行系カードローンでは、信用機関の情報を優先して審査を行います。
借入れ残高が多いと返済能力に難があるとされ、融資を受けられません。
もしも借入れ残高に心配があるなら、自社基準で審査が行える、消費者金融系カードローンに申込をすると良いでしょう。
延滞や遅滞はしない
延滞や滞納など、金融事故があった場合には、その履歴が信用情報機関に登録されます。
金融事故の履歴は審査に重大な影響を与えます。
金融事故は返済時期を少し遅れた程度で登録されるものではありません。
しかし、カードローン審査を考えているのなら、延滞や滞納は起こさないように注意しなければなりません。
安易なリボ払いは避けるのが無難!
一般的に、カードローンもクレジットカードのキャッシングも、支払い方法にリボ払いが採用されています。
その違いは会社ごとのリボ払いの方式の違いに寄るところが大きいです。
リボ払いのメリットとデメリットを知ろう
リボ払いは月々の支払を固定化でき、支払計画を立てやすいです。
ですが、リボ払いは金利手数料が高額になりやすく、完済まで長期になることがあります。
カードローンへの乗り換えも検討しよう
リボ払いによる支払いは、大きな金利手数料を生み出す場合があります。
そのため、リボ払いよりも最適な支払い方法がないかを常に検討することが大切です。
例えば、リボ払いからボーナス払いへと支払方法を変えることで、金利手数料を大幅に減らすことが可能です。
また、リボ払いよりも金利が有利なカードローンに乗り換えるのもよい方法でしょう。
安易なリボ払いは危険
リボ払いは便利なサービスではありますが、一定のリスクもあります。
借金をしているという意識が薄れてしまいがちなので、気がつけば借入額や利息が膨らんでいるといったことも起こり得ます。
リボ払いを利用する際はしっかりと返済プランを計画してから検討するようにするとよいでしょう。