楽天カードは、多くの人に利用されている、人気の高いクレジットカードの1つです。
利用すると楽天スーパーポイントを貯めることができるので、楽天市場をはじめとする提携サービスを利用している人にとっては、かなりお得感のあるクレジットカードだと言えます。
使い勝手の良い楽天カードですが、返済方法として「リボ払い」を選択できることで、知らず知らずのうちにはまってしまう落とし穴があり、注意が必要です。
そこで今回は、楽天カードのリボ払いについて、特徴や注意点などを解説します。
楽天カードのリボ払いの特徴って?
ここでは、リボ払いの基本的なシステムと、楽天カードのリボ払いについて紹介します。
リボ払いとは?
リボ払いとは、正式には「リボルビング払い」と言われるものです。
クレジット会社への返済額が常に一定に保たれる「定額方式」と、残高の金額の大きさに応じて、月々の返済額が段階的に増減する「残高スライド方式」があります。
どの会社のリボ払いでも、「リボ払い手数料」がかかります。
そのため、返済金額=自分が使った金額とはならないので、注意が必要です。
→どうしてリボ払いがやばいのか?リボ払いがあなたを破滅に追い込むポイント
楽天カードのリボ払いについて
リボ払い手数料
楽天カードのリボ払い手数料は、年利15.0%です。
三井住友VISAカードやオリコカードは同じく年利15.0%です。
また、JCBカードは年利8.04%~18.00%、セゾンカードは年利9.60%~14.6%となっています。
これら他社と比較して、楽天カードのリボ払い手数料は、平均的なものだと言えます。
毎月の最低返済額
毎月の最低返済額は、利用額によって異なります。
利用額が20万円以内の場合、最低返済額は5000円です。
利用額が20万円超の場合の最低返済額は、1万円となっています。
ちなみに実際に支払う金額は、最低返済額以上であれば、1000円単位で毎月設定することができます(ショッピングリボ払いコースの場合)。
楽天カードのリボ払いの種類
楽天カードには、3種類のリボ払いがあります。
買い物時に設定するリボ払い
買物時に設定するリボ払いは、「支払い方法は?」と聞かれた決済時に、「リボ払いで」と、リボ払いを指定する方法のことです。
元からリボ払いするつもりで買い物した場合、ほとんどの人が使う方法です。
あとからリボ払い
あとからリボ払いは、決済時に指定した別の返済方法を、あとからリボ払いに変更する方法のことです。
楽天カードでは、「ショッピング1回払い」と「ボーナス1回払い」を、あとからリボ払いに変更することが可能です。
急に予定が変わって返済が難しくなってしまった人や、レジでリボ払いを指定するのが恥ずかしいと感じている人などが利用します。
自動リボ
自動リボ払いは、全ての1回払いの決済が、自動的にリボ払いになる方法のことです。
事前に登録しておけば、毎回リボ払いを指定する必要がなく、国内外の1回払いの決済を全て自動でリボ払いにすることができるので、リボ払いしか使いたくない人向けの方法です。
なぜ楽天カードのリボ払いが危険なの?
楽天カードでは、それぞれのお財布事情によって選べるリボ払いの方法が3つあり、一見とても便利そうですよね。
実際、毎月の返済額をコントロールできることで助かる場面は多いと考えられます。
しかし、「自動リボ」には、実は危険なところがあり、注意が必要だと言われています。
自動リボ払いの危険性
先ほど紹介した通り、自動リボ払いでは、全ての決済が自動的にリボ払いになります。
つまり、レジで「1回払いで」と指定した場合でも、リボ払い扱いとなるということです。
そのまま放っておくと、一括払いできたはずのものも、リボ払いをしなければいけなくなります。
リボ払いの残高が増えれば増えるほど、金利手数料が余計にかかってしまうので、自動リボ払いの場合、トータルの支払い額で見ると大きな損をしてしまう危険性があるのです。
楽天カードの落とし穴って?
他にも落とし穴があるので、主なものを紹介します。
まず、リボ払いの支払い残高が増えたとき、その分、返済回数や手数料が増え、毎月の返済額は増えないことがほとんどです。
この場合、買い物を重ねても、月々の負担が増さないので、支払い残高が増えていることを実感しにくいのです。
先ほど紹介したように、リボ利用額が20万円以内から20万円超になったときには、毎月の最低返済額が1万円に変更されます。
しかし、それ以上では、利用額30万円でも100万円でも最低返済額は変わらず1万円のままなので、注意が必要です。
また、自分で利用明細に目を通さず、通帳チェックのみしかしていない場合、毎月の引き落とし額しか見ないで済むため、現状把握がしにくくなります。
今、合計いくら使っていて、いくら返済できているのか、あと何回返済すれば良いのかなどを把握しないままでは、危機感なくクレジットカードを使ってしまいやすくなるので、とても危険です。
楽天カードのリボ払いにかかる手数料額
ここでは、楽天カードのリボ払いを利用した際、手数料は一体いくらかかるのか、具体的な例を見てみましょう。
シミュレーションしてみよう!楽天カードのリボ払い手数料
A.リボ払い利用額5万円の場合
返済額を毎月5000円と設定した場合、リボ払い手数料の合計は、3435円です。
元金5000円プラス手数料を10回、合計5万3435円支払うことになります。
一度に支払う金額が最も高くなるのは、1回目の返済で、5625円です。
B.リボ払い利用額20万円の場合
返済額を毎月1万円と設定した場合、リボ払い手数料の合計は、2万6250円です。
元金20万円プラス手数料を20回、合計22万6250円支払うことになります。
一度に支払う金額が最も高くなるのは、1回目の返済で、1万2500円です。
A.とB.では、こんなに差がある!
上記2パターンを比較してみると、リボ払い手数料の差は、何と「2万2815円」にもなりました。
利用額によって、このような手数料の差が生じるので、注意が必要です。
また、パターンB.だけ見ても、1万円の元金に対して2500円(4分の1)もの手数料がかかることに、驚いた人も多いのではないでしょうか。
リボ払いを利用するときには、利用額だけでなく、手数料をしっかり確認するようにしましょう。
自動リボ払いを解除する方法は?
自分の利用している楽天カードの支払い方法が、自動リボ扱いになっていると気づいて、焦った人もいるのではないでしょうか。
そこで、自動リボを解除するには、どうすれば良いのかを紹介します。
「楽天e-NAVI」を使って、自動リボ払いを解除するには?
まずは、楽天カード会員専用のオンラインサービス「楽天e-NAVI」にアクセスし、ログインします。
次に、サービス一覧から、「お支払い金額を調整する」を選択します。
「お支払い方法」というページが表示されるので、メニュー一覧から「自動リボの登録・解除」を選択します。
次のページでは、自動リボ払いを設定している場合、「解除」の選択肢が表示されます。
このとき、自動リボ払いの登録がされていない場合は、「現在、自動リボサービスにご登録いただいておりません。」と表示されます。
自動リボ払いが設定されていて、解除希望の場合は、そのまま解除を選びます。
解除の設定が済んだら、念のためトップページに戻って、自動リボ払いが設定されていないかどうかを確認してください。
以上で自動リボ払いの解除手続きは終了です。
そんなに複雑な操作が必要なわけではないので、落ち着いて作業し、最後の確認を忘れないようにしましょう。
リボ払いの金利手数料を減らすには?
リボ払いの合計返済額や回数を減らすためには、月々の返済額を多くすることで対策できます。
具体的な数字を見てみましょう。
シミュレーションしてみよう!楽天カードのリボ払いを50万円利用した場合
A.毎月1万円の返済
この場合、リボ払い手数料の合計は、15万9375円です。
元金1万円プラス手数料を50回、合計で65万9375円支払うことになります。
一度に支払う金額が最も高くなるのは、1回目の返済で、1万6250円です。
B.毎月2万円の返済
この場合、リボ払い手数料の合計は、8万1250円です。
元金2万円プラス手数料を25回、合計58万1250円支払うことになります。
一度に支払う金額が最も高くなるのは、1回目の返済で、2万6250円です。
A.とB.では、こんなに差がある!
上記2パターンを比較してみると、リボ払い手数料の差は、何と「7万8125円」にもなりました。
また、毎月の返済額を1万円から2万円に変更することで、返済回数は、50回から25回へと半減することが分かりました。
つまり、残りの25回分=2年と1カ月分の手数料を浮かすことができるのです。
この差は、かなり大きいですよね。
リボ払いの支払い金額を変更する方法
先ほど、自動リボ払いの解除方法について紹介しましたが、リボ払いを解除して返済することは厳しいと感じている人のために、ここでは、リボ払いの毎月の返済額を変更する方法について紹介します。
「楽天e-NAVI」を使って、リボ払いの毎月の返済額を変更するには?
まずは、「楽天e-NAVI」にアクセスし、ログインします。
次に、サービス一覧から、「お支払い金額を調整する」を選択します。
「お支払い方法」というページが表示されるので、メニュー一覧から「リボお支払いコースの変更」を選択します。
ショッピングリボとキャッシングリボ
新しく表示されるページからは、ショッピングリボ払いコースと、キャッシングリボ払いコースのそれぞれについて、毎月の返済額を設定することができます。
ショッピングリボ払いの場合は、5000円以上で1000円単位の変更が可能となっています。
キャッシングリボ払いの場合は、50万円以下の利用で8000円から1000円単位の指定ができ、50万円以上の利用で1万円から1000円単位の指定ができます。
(平成19年12月19日以降に契約した場合)
一括払いで対応する方法もある
リボ払いする予定だったものを、一括払いすることができるのであれば、そうしてしまうことがおすすめです。
一括で返済してしまうことで、リボ払いの金利手数料が膨らまないようにできるからです。
「それなら一括返済したい」という人のために、ここでは、リボ払いを一括払いに変更する方法について紹介します。
また、「一括は無理だけど、来月は多めに返済したい」という人も、共通の操作で設定変更が可能なので、参考にしてください。
「楽天e-NAVI」を使って、リボ払いを一括払いに変更するには?
まずは、「楽天e-NAVI」にアクセスし、ログインします。
次に、サービス一覧から、「お支払い金額を調整する」を選択します。
「お支払い方法」というページが表示されるので、メニュー一覧から「リボ残高のおまとめ払い」を選択します。
新しく表示されるページからは、ショッピングリボ払いコースと、キャッシングリボ払いコースのそれぞれについて、「利用残高の全額返済」または、月々の返済額に加算する金額を設定することができます。
この設定をしておくと、次回の返済日に加算希望額分もまとめて引落しされるので、大変便利です。
楽天カードは危険なクレジットカードなの?
楽天カード自体が危険というわけではありません。
楽天カード自体は、楽天スーパーポイントが貯められる上にポイント利用のサービスが充実しているため、人気のあるカードであることは間違いありません。
楽天市場をはじめとする提携サービスを利用している人にとっては、かなりお得感のあるクレジットカードだと言えます。
ただ、自動リボ払いをはじめ、リボ払いでの返済には危険性もあるので、注意が必要です。
先ほど紹介したように、利用額や返済額によって、支払う手数料の合計には、かなりの差が生じます。
リボ払い前にシミュレーションがおすすめ
返済方法をリボ払いにする際は、シミュレーションをしっかりと行い、なるべく早く返済できるようにしましょう。
また、実際の返済が始まってからも、毎月の返済額だけに捉われず、現状把握のため、支払い残高を確認すると良いでしょう。
また、臨時収入があった場合には、「普段は返済のために我慢しているから」と自分を甘やかすのではなく、リボ払いの返済額に充てるようにすると、未来の自分を少しでも楽にさせてあげることができますよ。
我慢する瞬間は辛いですが、ぜひ実行してみてください。
楽天カードのキャンペーンの落とし穴
楽天カードでは、ポイントに関するキャンペーンが積極的に実施されています。
その中の一つとして、自動リボ払いに関するキャンペーンがあります。
楽天カードの自動リボ払いに関するキャンペーンとは?
楽天カードの期間限定のキャンペーンで、自動リボ払いに登録することで、楽天ポイントがプレゼントされるというものがあります。
このキャンペーンは頻繁に行われているので、広告を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
過去には、同キャンペーンで、楽天ポイントが2万円分もプレゼントされたことがありました。
そのときによって、プレゼントされるポイント数は異なるのですが、最近では、「7000円分プレゼント」となっているキャンペーンが多くなっています。
本当にお得なのか、しっかり考えよう
自動リボ払いを設定することで7000円分のポイントがもらえたら、一見お得な感じがしますよね。
そのため、キャンペーンに釣られて自動リボ払いの設定をしてしまう人が少なくありません。
しかし、ポイントプレゼントが適用される条件は、実は「自動リボ払いの設定」だけではありません。
その他に「指定期間中に〇〇円以上のショッピングに楽天カードを利用すること」という条件があります。
一見お碌なキャンペーンに惑わされないで
それに加え、キャンペーン終了後も一定期間、自動リボ払いの設定を解除しないこと、毎月の返済額の上限指定(一回の支払いで完済できないようになっています)など但し書きがされていて、実質的には細かい条件がいくつもあるのです。
このようなことをしっかり確認して、本当にキャンペーンのために自動リボ払いの設定をするかどうかをよく考えましょう。
楽天カードを利用するときはリボ払いに気を付けよう!
楽天カードを利用するときには、安易にリボ払いにすると、手数料がプラスされて危険だということを解説しました。
また、全ての支払いに適用されてしまう自動リボ払いは、安易に設定しないように注意すべきです。
一括で支払い可能な金額のものについては、なるべくその都度返済するようにし、無駄な手数料を払わなくて良いようにしましょう。
また、既に自動リボ払いに設定してしまっていた人についても、今回の記事にある、「楽天e-NAVI」を使用した解除方法を参考にしてください。
リボ払い自体が悪いわけではありませんが、計画的に利用し、自分が今お金をいくら使っていて、いくら返済しているのか、また、完済できるのはいつになりそうかなど、現状をしっかり把握しておくことが重要です。