カードローンや住宅ローンなど、借り入れをする際には限度額が設定されていますよね。
限度額というのは、この額まで借り入れできますよという上限です。
この限度額が一体どのように決められているのかご存知ですか?ローンを組む時に、自分がどの程度まで借り入れできるのかって気になりますよね。
今回は限度額の仕組みや上限に関して、徹底的に解説していきます。
カードローンをはじめ、自動車ローンや住宅ローンに関しても合わせて解説していきますので、参考にしてくださいね。
借り入れ限度額の決まり方
借り入れをたくさんしたくても、借り入れ限度額が低いとそれ以上は融資を受けることができません。
そのため、自分がどのくらいの限度額にできるのか気になるという方も多いのではないでしょうか。
この限度額ですが、いくらになるかは利用するカードローン会社によっても変わります。
限度額は申し込み後の審査で決まる
カードローンを利用する時に審査を受けることになりますが、この審査で借り入れ限度額も決定されます。
どのくらい収入があるか、どういった会社に勤めているかなど、様々な要素でカードローン会社が限度額を設定します。
どういった審査基準になっているかは各社で違い、一般的には公表されていないため、はっきりとした基準を知ることはできません。
一般的には年収の3分と1程度が限度額の目安と考えられています。
実際の限度額はどれくらい?
年収の3分の1程度が限度額の目安とお話しましたが、必ずこの程度の借り入れができるというわけではありません。
どちらかというと、年収の3分の1借り入れできるケースは稀ですね。
様々な要素で限度額が決定される
限度額というのは、年収の高さだけで決まるものではありません。
今の会社にどのくらい勤めているのか、クレジットヒストリーなど、様々な要素が絡んできます。
場合によっては予想よりもかなり少ない限度額に決定されてしまう場合もあります。
逆に人によってはいきなり年収の3分の1以上の限度額になることもあるので、自分で予想するのはなかなか難しいですね。
事前にはっきりと自分がどのくらいの限度額になるか知る方法はないので、とりあえず審査を受けてみるしかありません。
知っておくべき総量規制とは
カードローンを利用する上で、知っておくべきなのが総量規制に関してですが、限度額はこの総量規制によって決められるものなので、事前にどういったものなのか把握しておくと良いですよ。
総量規制ってどんなもの?
総量規制というのは、2010年6月に施行された賃金業法です。
貸金業者が個人にお金を貸す時に、年収の3分の1以上の貸付をしてはいけないという規制です。
例えば年収が600万円の人は、貸金業者から200万円以上借り入れができません。
なぜ総量規制があるの?
なぜ総量規制ができたのかですが、お金を借りすぎて苦しんでいる人が増えてしまったからです。
総量規制ができる前は、多重債務者が社会問題になっていました。
平成18年前後のデータですが、5件以上から借り入れをしていた多重債務者の数は、全国で230万人以上いたと言われていたというのですから驚きですよね。
また経済的な理由による自殺者の数が、年間7800人にもなっていたということで、この事態をどうにかしようと貸金業法が抜本的に改正されました。
この改正の中に盛り込まれていたのが総量規制というわけです。
原則的に年収の3分の1以上の借り入れを禁止した法律で、上限金利の引き下げも行われました。
年収の3分の1以上借りられる?
総量規制によって、年収の3分の1以上の借り入れができないようになっていますが、実は場合によってはそれ以上の借り入れが可能な場合もあります。
総量規制の対象にならないものもある!
総量規制は全てのローンが対象となっているわけではなく、対象でないものも存在します。
対象外の借り入れに関しては、年収の3分の1以上の限度額に設定することが可能です。
これを利用すれば、年収の3分の1以上の借り入れができます。
もしたくさん借り入れしたいという場合は、総量規制の対象外になっている借り入れ方法を選択しましょう。
そのためにも、何が総量規制の対象になっているのか、何が対象外なのか知っておくと良いですね。
そのあたりも詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
総量規制の対象と対象外は何?
総量規制に対象になっているローン、対象になっていないローンは何があるのか詳しく見ていきましょう。
総量規制の対象になっているローンは?
総量規制の対象になっているローンで代表的なのが消費者金融です。
プロミスやアコムなどのカードローンがそれにあたります。
カードローンは基本的に全てが総量規制の対象になっているので、限度額は3分の1までしか設定することができません。
また、これは1つの会社に対してではありません。
複数のカードローンで借り入れする場合、その合計が総量規制の対象になるので注意してくださいね。
もし年収600万円の人が1つのカードローンで100万円借り入れしていたとします。
この方は総量規制が200万円となっているので、他のカードローンに申し込む場合は残りの100万円までしか借り入れができないことになります。
総量規制の対象外になっているローンはどんなものがある?
住宅ローンや自動車ローン、高額療養費ローンなどは総量規制の対象外になっています。
住宅ローンは総量規制対象外!
不動産を購入する時に良く使われるのが住宅ローンです。
普段借金はしないと考えている人も、住宅ローンは別という人も多いのではないでしょうか。
消費者金融とは違い、金額も数十万円ということは少なく数千万円単位で借り入れになることが多いので、こんなに借りて大丈夫かと不安に感じる人もいるでしょう。
しかし、住宅ローンは総量規制の適用から除外されているので安心してください。
そもそも、住宅ローンから借り入れをする時に、年収の3分の1程度では足りないですよね。
しかし、だからといっていくらでも借りられるというわけではありません。
収入と支出のバランスで融資してもらえるかどうかが判断されます。
もしあまりに支出が多く回収が難しそうと判断されれば、融資を受けることはできないので注意してくださいね。
自動車ローンは総量規制の対象外?
自動車を買う時に利用される自動車ローン。
マイカーローンとも言われていますね。
この自動車ローンは、総量規制の対象外です。
そのため、クレジット会社や信販会社の自動車ローンを利用する時も、総量規制を気にする必要はありません。
そのため、自動車ローンの金額と他の借り入れ額の合計が年収の3分の1を超えていても、自動車ローンの審査に通る可能性はあります。
しかし、必ず審査に通るわけではなく、借入額の年収のバランスによっては落ちる場合も。
自動車ローンそのものは総量規制の対象ではありませんが、やはり他からの借り入れ額が多かったりすると、自動車ローンの審査に影響は出てしまいます。
高額療養費ローンって?
急にケガや病気になってしまい、入院や通院をすることになってしまった。
あまりに医療費が高くて病院代が払えないという時に、借り入れを受けたいと考える人もいるのではないでしょうか。
高額療養費ローンとも言われるものですが、総量規制尾対象からは外されています。
貸金業法施行規則で、本人や親族で生計を一にしている医療費の貸付については、総量規制の例外貸付とされているので、年収の3分の1以上借り入れすることも可能です。
例外とされているローンもある
総量規制には対象になっているもの、対象外のものがありますが、中には例外として扱われているローンも存在します。
それは、おまとめローンや借り換えローン、事業性資金などです。
おまとめローンは例外として認められている場合がある?
おまとめローンというのは、複数の借り入れを一つのローンにまとめるためのローンです。
例えばA社からは20万円、B社とC社から10万円の借り入れがあった場合、D社のおまとめローンを利用し40万円の借り入れを受け、それを使ってA社とB社、C社の借り入れを完済します。
こうすると借り入れはD社だけになるので、手間や金銭的負担が減るというわけです。
このおまとめローンは、総量規制の例外として認められる場合があります。
例外となる条件は、顧客に一方的に有利になる借り入れの場合です。
おまとめローンを利用することで、金利や利息、そう返済額が安くなる場合は、年収の3分の1以上をまとめて借り入れできることがあります。
また、銀行で行っているおまとめローンは、そもそも総量規制の対象にはなりません。
銀行は銀行法に基づいて貸金業務を行っているため、貸金業法である総量規制の対象にはならないというわけですね。
消費者金融のおまとめローンを利用する際に、総量規制の例外になるかどうか確認しておく必要があります。
借り換えローンもおまとめローンと一緒で例外になる場合も
借り換えローンというものもありますが、これは複数の借り入れを借り換えて一つにまとめるものです。
おまとめローンと一緒ですね。
会社のプランによって、おまとめローンと呼ばれたり借り換えローンと呼ばれたりしますが、基本的には同じものです。
総量規制に関しても、利用者にとって有利になる借り換えであれば、総量規制の例外として認められることがあります。
事業性資金の借り入れなら総量規制の例外になる!
事業性資金として借り入れを受ける場合も、総量規制の例外として認められています。
事業を立ち上げたり、事業を運営するための経費などが事業性資金に含まれます。
こういった用途で借り入れをするなら、年収の3分の1以上借り入れを受けることも可能です。
もちろん、他のローンと同じように審査はあるので、審査に通る必要はあります。
総量規制の対象となるカードローン
総量規制は、貸金業法で定められているものです。
消費者金融系のカードローンと言われるものは、賃金業者となっているため総量規制が適用されます。
プロミスやアコム、SMBCモビットやアイフルなどがそれにあたり、総量規制の対象となってます。
こういったカードローン会社は、総量規制のせいもあり多額の借り入れは難しいです。
どんなに信用できる人物であっても、年収の3分の1以上は貸し付けてはならないと法律で決められているので仕方ありませんね。
消費者金融を利用する場合は、年収の3分の1以下の借り入れしか受けられないと考えておきましょう。
もしどうしてもそれ以上の借り入れが受けたいのであれば、消費者金融以外のカードローンを利用する必要があります。
総量規制の対象外のカードローンは?
消費者金融のカードローンとは違い、銀行カードローンは総量規制の対象外になっています。
これは、銀行は賃金業法ではなく銀行法に基づいて運営されているからです。
三菱UFJ銀行のバンクイックやりそな銀行のクイックカードローンなどは、総量規制に関係なく借り入れが受けられます。
年収の3分の1以上の借り入れが受けられるので、消費者金融の借り入れでは足りないという方は、銀行のカードローンを利用してみると良いでしょう。
しかし、銀行によって500万円や1000万円など全体を通した借り入れ限度額が設定されています。
いくら総量規制の対象外とはいえ、無制限に借り入れできるわけではありません。
銀行のカードローンを利用する時は、借り入れ限度額がいくらに設定されているか見ておくと良いですね。
住宅ローンの借り入れ限度額は?
住宅ローンを利用する時、どのくらいの限度額になっているか気になるという方もいるでしょう。
年収の5倍まで、7倍まで借りられるという話もありますが、実際にそのような決まりがあるわけではありません。
実際は個々の事情によって変わるので、目安として考えるのもやめた方が良いですね。
たくさん借り入れをしてもこの人ならしっかり返してくれるだろうという信用があれば、たくさん借りることもできるでしょう。
逆にこの人は信頼できないと思われると、少ししか借りることができません。
信頼を得るためのポイントは色々ありますが、簡単なところで言えば収入の高さや金融資産をたくさん持っていることです。
年収1億円ある人と、年収150万円のフリーターの方がいた場合、どちらにも同じ額貸せるわけありませんよね。
自動車ローンの借り入れ限度額
自動車ローンに関しても、住宅ローンと同じように限度額にはっきりした決まりはありません。
目安としては、年収500万円程度で35~40%程度と考えておくと良いでしょう。
しかし、これはあくまで目安で、実際は個々の事情によって変わります。
年収が多ければ多く借り入れできるでしょうし、年収が低ければ少ししか借り入れできないでしょう。
また、金融資産を持っているかどうかも、審査の上で重要なポイントです。
もし東京の一等地にたくさんマンションを持っている人なら、ローン会社からも信用されやすくたくさんの借り入れが受けられる可能性が高まります。
やはり、借りる側の人間が信用できる人物かどうかが、限度額を決める重要なポイントになってきます。
国の教育ローンの限度額はいくら?
国の教育ローンは、350万円が限度額と定められています。
これは年収に左右されることはありません。
仮に年収が500万円の方でも、1000万円以上ある方でも限度額は350万円です。
また、年利は1.9%、返済期間は15年と決まっています。
民間の教育ローンもありますが、こちらは限度額にはっきりした決まりはありません。
金融機関によって限度額は変わるので注意してくださいね。
目安で言うと、無担保ローンなら500万円程度が限度額になっていることが多いです。
有担保ローンなら、1000万円以上借り入れ可能なところもあります。
どのくらい融資を受けたいかによって、国の教育ローンを選ぶか、民間の教育ローンを選ぶか決めると良いでしょう。
限度額を設定する際のポイント
このように、総量規制の対象外になっているローンもたくさんあります。
総量規制対象外ならたくさん借りられる可能性はありますが、だからといって借りられるだけたくさん借りるのは考え物です。
自分の年収を考えずに借りてしまうと、返済に困ってしまいますよ。
大切なのは、上限いっぱい借りるのではなく、余裕を持って返せる範囲で借り入れすることです。
総量規制というのは、利用者が借りすぎで返済に困らないように定められたものです。
総量規制の対象外であっても、年収の3分の1を基準にどのくらい借り入れるか考えるべきでしょう。
限度額を設定する時も、必要な額だけに設定しておいて、余計な借り入れをしないようにすることも大切ですね。
借り入れ限度額を上げるには?
カードローンは申し込み時の審査で限度額が決定されます。
しかし、後から限度額を引き上げられるカードローンもありますよね。
審査に通ったのは良いけれど、今の借り入れ限度額に満足できないという場合は、限度額を上げてみるのも良いでしょう。
しかし、限度額を上げるためにはいくつかポイントがあります。
限度額を上げるためのポイント/h4」 まずは、半年以上の利用実績を積んでから限度額を上げる申し込みをした方が良いです。
会社によっても変わりますが、半年経過しないと申し込みができないところも多いからです。
この間にしっかりと返済を続け、信用を得るように努力しておけば、限度額が上げやすくなります。
また、余裕がある時は繰り上げ返済するのも有効ですね。
繰り上げ返済すれば、この人はお金に余裕があってしっかり返済してくれる人だという印象を与えることができ、限度額引き上げの審査にも通りやすくなります。
場合によっては、利用しているカードローン会社から増額の案内が届くことがあります。
これが届くということは、会社から信頼されているという証拠なので、審査に通りやすい状況になっている可能性が高いです。
この機会に審査を受けておくのも一つの手ですよ。
限度額が上がると金利が下がる!?
カードローンは、限度額があげることによって金利額が下がるという仕組みがとられています。
限度額が低い状態で借り入れするより、限度額が高い状態で借り入れをする方がお得というわけです。
不必要に限度額を上げるのは良くありませんが、金利を安くしたいなら可能な範囲で限度額を上げておくというのも悪くありません。
しかし、限度額を上げたからといって、無闇にたくさん借り入れをするのはやめましょう。
限度額はあくまでその額まで借り入れができるということであって、限度額いっぱい借り入れする必要はありません。
金利を下げるために限度額だけあげて、借り入れは必要最小限に留めることが重要ですよ。
長期間借り入れしていると、金利もバカにならないので少しでもお得にカードローンを利用しましょう。
支払い能力に合った限度額の設定を!
限度額がいくらになるかは、最終的には審査次第です。
個々の状況によって限度額がいくらになるかは変わってきます。
希望額を出す時は、あくまで余裕を持って支払える範囲に留めておくことが大切ですね。
ローンというとあまり良いイメージを持たない方もいるかもしれませんが、住宅を買ったり自動車を買ったり、どうしても必要になる場面は出てくるものです。
カードローンに限らず、住宅ローンなどを利用する際は、自分に返済ができるかどうかをしっかりと見極めて利用するようにしましょう。
将来のこともしっかり見据えて、返済計画を立てておくことも大切ですね。
利用の仕方を間違えなければ、強い味方になってくれるものなので、上手く活用してくださいね。