クレジットカードで買い物をするのが最早当たり前の時代になりました。
カードで買い物をすることのメリットも多く、家電などの高価なものだけでなく食料品や洗剤などの日常品もカードで買うという人も増えています。
そこで気になるのがカード払いで買い物をしたときの支払い方法です。
一括払い、分割払い、リボ払いなどがありますが、その他の支払い方法とは異なりリボ払いを利用する際にはしっかりとしたシミュレーションをする必要があります。
そこで今回はリボ払いを利用する際の注意点とその理由、具体的なシミュレーションのやり方について解説していきます。
リボ払いってどんな支払い方法?
リボ払いとはリボルビング払いのことで、クレジットカードの支払い方法の1つです。
リボ払いは分割払いとは違い支払い回数をあらかじめ設定することはありません。
分割払いの場合、最初に決めた支払い回数によって毎月の返済金額が変わりますが、リボ払いでは定められた金額の範囲内であれば毎月一定の金額を返済していきます。
例えば10万円の買い物をした際に分割払いで支払い回数を5回と設定した場合には、毎月2万円と分割手数料が返済金額となります。
リボ払いは設定額以上の金額支払わない
一方リボ払いでは毎月の支払い金額を5千円と設定した場合、カード会社のリボルビング方式によっても異なりますが、それ以上の金額を支払うことはありません。
分割払いが返済期間を設定するのに対し、リボ払いは返済金額を設定する支払い方法と言えるでしょう。
ただしリボ払いでも返済方式によっては返済金額が増える場合があり注意が必要です。
「リボ払いなのにどうして返済金額が増えたんだろう?」と、戸惑わないためにもどのような返済方式があるのか知っておきましょう。
リボ払いの返済方式
リボ払いの返済方式には大きく分類すると残高スライド方式と定額方式の2つがあります。
しっかりとしたシミュレーションを行うためにはこのリボ払いの返済方式について理解しておく必要があります。
返済方式についての理解があやふやなままだと返済が計画通りに進まない恐れすらあります。
それではそれぞれの返済方式がどのような方式なのか紹介していきます。
残高スライド方式
残高スライド方式とはクレジットカードの利用金額に応じて返済金額が変動する方式です。
例をあげると10万円までの利用であれば月々の支払いは5千円だが、30万円になると1万円に返済金額が増える仕組みのことです。
そしてまた利用金額が10万円以下になると、支払金額が5千円に減額されます。
このように残高スライド方式の場合利用金額に合わせて月々の返済金額が変わってくるのです。
この返済方式は利用者が利息ばかり支払って元金が全く減っていないなどの不利益を被らないために、クレジットカード会社の多くが採用している返済方式です。
定額方式
定額方式とはクレジットカードの利用金額にかかわらず、毎月決まった金額を支払う返済方式のことです。
利用金額が10万円から30万円に増えても返済金額は5千円のままキープされます。
返済金額が変動しないため家計管理の面で一定のメリットはありますが、利用金額が多くなると返済期間が数年に及ぶ恐れがあるため借り過ぎには注意が必要です。
元利と元金
それぞれの返済方式には元利と元金という考えがあります。
元利は利息が返済金額に含まれ、元金では利息は返済金額に含まれません。
スライド方式に当てはめてみると、残高スライド元利定額方式の場合は利用金額により変動した支払い金額のなかに利息が含まれた形で返済するのに対して、残高スライド元金定額方式では変動した金額にプラスして利息分の金額を返済しなければなりません。
定額方式の場合も同じです。
家計や返済計画に応じてより適切な方式を選択する必要があるでしょう。
リボ払いのメリットって?
リボ払いには毎月の支払金額が一定になるというメリットがあります。
分割払いの場合ではカードで買い物をした頻度と支払い回数を何回払いに指定したのかによって、予想外に支払金額が多くなってしまう恐れがあります。
しかしリボ払いでは決まった金額を支払っていくため毎月の支払い金額が大きくなりにくいのが特徴です。
そのためリボ払いは予想外の出費によって家計を圧迫することは少なく、家計を管理しやすい支払い方法といえます。
リボ払いには後からでも変更できる
カードで買い物をしたそのときには分からなかったけれど、後から考えると今月は結構な金額の支払いがあり、このままでは相当な出費になると気づくことがあります。
そんなときのために最近ではカードで一括払い、あるいは分割払いで指定した買い物を後からリボ払いに変更できるサービスを各クレジットカード会社が取り入れています。
冠婚葬祭が続いてできるだけ現金を手元においておきたいときにも有効なサービスです。
家計や状況に応じて活用してみるのもいいでしょう。
臨時返済ができるのもメリット
リボ払いでは臨時返済をすることができます。
今月は家計に余裕があるから多めに返済をしたいといったときに、毎月の金額にプラスして返済することができます。
返済期間が短くなるため積極的に利用すべきサービスです。
引き落としや銀行振り込みなど方法は様々なので、利用しているクレジットカード会社へ連絡してみましょう。
リボ払いのシミュレーションが重要な理由とは?
リボ払いでは利用限度額の範囲内であればどれほど買い物をしても毎月ほぼ一定の金額の支払いですんでしまうため、借り過ぎてしまう危険性があります。
そのため事前の返済計画や支払うことになる金利手数料のシミュレーションがとても重要になります。
また、リボ払いの利用金額が多くなればなるほど当然返済期間は長くなり支払う利息も多くなってしまいます。
リボ払い期間が伸びると損
返済期間が長期間に渡ってしまうと、結果的に家計を圧迫することに繋がってしまいます。
そういった事態を防ぐためにもリボ払いを利用する際には事前のシミュレーションが必要になるのです。
事前にシミュレーションを行えば完済するまでの期間を正確に把握することができ、臨時返済を視野に入れた返済計画を立てやすくすることができます。
また、利息がどれくらいかかるのかを知ることで、借り過ぎを防止することができます。
このようにリボ払いを利用する際には将来的な計画に基づいたシミュレーションが重要になるのです。
金利手数料のシミュレーション方法
リボ払いにかかる金利手数料を計算するには利用しているクレジットカード会社がどのような計算方法を用いているのかを知る必要があります。
まずは金利手数料の計算式について確認しましょう。
金利手数料の計算式とは?
手数料の計算には日割り計算と月割り計算の2種類があり、前述の通り各クレジットカード会社によって採用している計算方法が異なります。
また金利が何%なのかも計算には必要になります。
具体的な計算式を紹介します。
日割り計算の場合の計算式
利用金額×年率÷365×支払い日までの利用日数
月割り計算の場合の計算式
前月締め日の時点での利用金額(リボ払いの借入残高)×年率÷12
使用しているクレジットカード会社の計算方法が分からない場合
現在使用しているクレジットカードの金利やクレジットカード会社がどちらの計算を用いているのか分からない場合には、ホームページやコールセンターで確認を取ることができます。
またクレジットカードが届いた際に同封されていた規約にも記載されています。
もう一度目を通してみましょう。
どれくらいの金利手数料がかかる?
それでは実際にリボ払いではどのくらいの金利手数料がかかっているのでしょうか。
これにはクレジットカード会社が設定している金利が大きく係わってきます。
リボ払いの場合に設定している金利には、クレジットカード会社によって若干の差はあるものの、概ね15%に設定しているところがほとんどです。
もし20万円分の買い物をリボ払いで支払った場合には金利手数料がどれくらいになるのか実際に計算してみましょう。
日割り計算のクレジットカードで20万円分の買い物をリボ払いにしている場合
日割り計算の計算式は前述したように利用金額×年率÷365×支払い日までの利用日数です。
これに実際の金利と利用金額を当てはめてみると、20万円×15%÷365×31=2,547円となります。
単純に計算すると一年間になんと約3万円もの金利手数料がかかってしまうのです。
返済期間が複数年に及べば及ぶほど金利手数料は膨らんでいってしまいます。
これがリボ払いのシミュレーションをする際に頭に入れておかなければいけないポイントの1つです。
リボ払いのシミュレーションの注意点
リボ払いのシミュレーションをする際には金利手数料がどのくらいかかるのかを常に把握しておかなければなりません。
しかしリボ払いの利息計算は毎月の借入残高によって左右されるため、年率による大まかな計算だと金利手数料の金額が多めになる可能性があります。
クレジットカード支払いが増えるほどリボ払い残高は増える
また手元にお金がないため壊れた家電を買うなどの理由で新たにリボ払いによって買い物をした場合には、さらに金利手数料が増えることになります。
このように金利手数料は毎月返済したことによって減った借入残高と、新たにリボ払いで買い物をした金額に応じて変動するものであるため、リボ払いのシミュレーションは定期的に行い見直す必要があります。
例えば毎月一回は現在の返済状況の確認の意味をこめてシミュレーションを行ってみるのもいいでしょう。
また支払わなければならない金利手数料を増やさないために、最初にシミュレーションした金額以上にリボ払いを利用しないようにすることも大事です。
シミュレーション機能で手軽に計算する方法も!
リボ払いのシミュレーションは定期的に見直す必要があります。
しかしなかには計算が苦手な人や定期的なシミュレーションを煩わしく感じる人もいることでしょう。
そこで各クレジットカード会社ではそれぞれの公式ホームページにシミュレーション機能を設けているケースがあります。
多くの場合は会員専用ページにログインすることでシミュレーション機能を使うことができるようです。
現在の借入額に加えて月々の支払金額などを入力するだけで、返済期間や金利手数料の総額などを調べることができます。
また会員専用ページでは利用限度額の引き上げやリボ払いへ変更する申し込みなど、クレジットカードを円滑に利用できるようなサービスを提供しているので、一度はのぞいてみるようにしましょう。
リボ払いはなるべく避けるべき!
リボ払いは金利手数料が多くかかってしまう支払い方法です。
利用金額が多く返済期間が長期間に及ぶほど、どんどん金利手数料は膨れ上がってしまいます。
例えば60万円分の買い物をリボ払いで支払ったとしたら一年間で約9万円もの金利手数料を支払うことになるのです。
リボ払いは地獄の入り口
リボ払いは返済期間が決まっておらず、どれくらいの期間その金利手数料を支払い続けなければならないのかも分かりません。
これは長期的にみれば家計を圧迫する一つの大きな要因になってしまいます。
そのためクレジットカードで買い物をする際にはできるだけ一括払いや分割払いで対応した方がいいでしょう。
また分割払いではリボ払いと同様に長期間に渡って返済しなければならないケースもありますが、あらかじめ支払い回数が決まっているため支払い期間も決まっています。
36回払いであれば3年後には支払いは終るのです。
どちらの支払い方法でも金利手数料は多くかかってしまいますが支払い期間が定まっている分、返済計画を立てやすいのが分割払いのメリットです。
リボ払いを利用するときのポイント
リボ払いを利用するにはいくつかのポイントがあります。
様々な事情によりリボ払いを利用する必要がある場合にはこのポイントを押さえて利用するようにしましょう。
事前に返済計画を立てる
リボ払いを利用する際には事前にシミュレーションを行った上で、しっかりとした返済計画を立てるようにしましょう。
ボーナスが入り家計に余裕がある月には臨時返済を行うなど具体的な計画を盛り込むようにしましょう。
借り過ぎない
リボ払いによる支払いを増やさないことが大切です。
借入残高が増えるほどに支払わなければならない金利手数料はどんどん増えていきます。
それが返済期間が長期に渡ってしまう大きな要因です。
完済するまでは新たなリボ払いの使用は控えるなどの約束事をつくるようにしましょう。
リボ払いの解除(一括返済)を視野に入れておく
ある程度返済が進んだら一括で返済することも考えておきましょう。
早く返済すれば余計な金利手数料を支払う必要がなくなります。
短期的にみればリボ払いで支払い続けたほうが金額を抑えることができますが、その分金利手数料を多く支払うことになります。
将来的なことを含めてできるだけはやく完済するようにしたほうがお得です。
利用する前にシミュレーションは必ずしよう!
クレジットカードでの買い物はポイントが多く付いたり代引き手数料がかからないなどのメリットがたくさんあります。
しかし今手元にお金がないからといって安易にカードで買い物をすると、後々になって大変な苦労をすることがあります。
リボ払い利用前にしっかりシミュレーション
特にリボ払いを利用する際には金利手数料がいくらくらいかかるのか、返済期間がどれくらいになるのかなどのシミュレーションをしっかりと行い、本当にリボ払いでクレジットカードを利用するべきなのかよくよく検証した上で使用するようにして下さい。
そうすることで多額の債務を抱えることを防ぎ、自分の生活を守ることにつながります。
クレジットカードは現代の社会には欠かせない便利なカードです。
利用する際は計画的に自分の収入と照らし合わせて賢く使うようにしましょう。