クレジットカードの支払方法のひとつにリボ払いというものがあることはみなさん知っていますか。
リボ払いという言葉は、テレビCMや広告でみたことある方が多いですが、どんな仕組みなのか詳しく知らない方が多いと思います。
そこで本記事では、リボ払いとは何かとリボ払いを利用することによるメリット・デメリットについて紹介します。
リボ払いとはなにか
リボ払いの正式名称は「リボルビング払い」の略称になります。
リボルビングとは、「一定期限まで繰り返し融資を受けられること」を意味です。
これだけを聞くと難しそうに聞こえますよね。
簡単にいうと、リボ払いとはクレジットカードによる毎月の支払額を一定にできる仕組みのことをいいます。
お買い物した分の支払いを月々で分割して払う点では分割払いと似ています。
しかし、仕組みは大きく異なりますので、以下の表を用いてリボ払いと分割払いの違いについて見てみましょう。
リボ払い | 分割払い | |
---|---|---|
毎月の支払い額 | 設定した金額まで | 支払い回数により異なる |
支払い回数 | 支払い残高により変動する | 規定の回数から選択する |
手数料 | 必要 | 3回以上の支払いの場合は必要 |
リボ払いはあらかじめ設定した金額を毎月支払うものです。
支払いは支払い残高がゼロになるまで続きます。
一方、分割払いは買い物したときに支払い回数を決めますので、支払い残高を分割した金額を毎月支払います。
そのため、お買い物金額と支払い回数によって1回あたりの支払額は変動します。
また、基本的には支払い時に手数料を支払うことになりますので、手数料を安く抑えたい方は分割回数を少なくするとその分手数料が安くなるので、分割回数を少なく設定することをおすすめです。
リボ払いの最大の特徴は、毎月のお買い物金額が上下しても支払額を一定にできる点です。
急な支払いや出費が大きくなるときなどは、リボ払いを便利に利用することができます。
リボ払いを利用するタイミングとは
リボ払いには利用したタイミングは以下の3つがあります。
- 利用前
- 利用時
- 利用後
上記3つについて詳しく説明しましたので、見てみましょう。
①利用前
あらかじめクレジットカードの支払額を設定します。
たとえば、毎月の支払額の上限を5万円と設定します。
7万円使えば2万円、10万円使えば5万円が翌月に自動で繰り越されます。
②利用時
お買い物したときにリボ払いを選択する方法です。
次回の引き落とし額が不安なときに、支払額を一定にしたいときに便利な方法です。
③利用後
当月の支払額が確定してから、クレジットカード会社によってはリボ払いに変更することができます。
店頭でリボ払いを伝えることを忘れてしまう、当月の支払額を調整したい方にはおすすめできる方法です。
また、大きな買い物をしたときに「この支払いだけリボ払いにしよう」といった選び方ができます。
ただし、リボ払いに変更する期限が決まっていますので、期限が過ぎて申請できないことがないよう注意しましょう。
リボ払い3種類の返済方法
リボ払いの返済方法には大まかに3種類あります。
そのため、カードローン・クレジットカード会社により採用している種類が異なるため、採用しているリボ払いの種類によって返済額の計算方法は異なります。
リボ払いの利用しようと考えている方は、リボ払いと種類と意味をしっかり理解してから利用するかどうか考えましょう。
リボ払いの支払い方法には大きく分けて以下の3種類があります。
- 残高スライド方式
- 定額方式
- 低率返済方式
上記の3つのリボ払いについて詳しく解説しましたので、見てみましょう。
残高スライド方式
残高スライド方式は、借入残高によって毎月の返済額が変動(スライド)する方法です。
残高スライド方式の特徴は、返済するたびに残高が減るので、毎月の支払額が減るというところです。
これから紹介する他の返済方法と比較すると、借入残高が多いときは元金の返済が進みます。
さらに、借入残高が少なくなると月々の返済負担額を抑えることができるというメリットがあります。
この方式は、消費者金融のカードローンなどで多く採用されています。
定額返済方式
定額返済方式とは、借入金額にかかわらず毎月一定額を返済する返済方法で、残高スライド方式との違いは、借入残高が増減しても返済額は一定である点です。
残高スライド方式と比較すると、借入金額により月々の返済負担が大きく変動することはないので、収支管理がしやすい特徴があります。
低率返済方式
定率返済方式とは、借入残高にカードローン・クレジットカード会社が定める一定の割合をかけて返済金額を算出する返済方法です。
たとえば、あなたが100万円の借入残高があります。
返済の割合が3%の場合は、100万円に対しての3%ですので、返済額は3万円です。
そのため、毎月の返済額が借入残高により変動します。
しかし、定率金利方式を採用しているカードローンはほとんどありません。
元金と元利の違い
定額返済方式と定率返済方式は、利息の返済方法が「元金」と「元利」かにより支払額が変わります。
元金方式は、一定の元金に発生する利息を上乗せした金額を一定の返済額とします。
そのため、支払う元金は毎月一定ですが、利息が借入残高の発生状況により変動するので、毎月の返済金額が変わります。
元利方式は、元金に利息を加えた金額を一定の返済金額とします。
そのため、毎月同じ返済金額を返済します。
元利方式は毎月一定の返済金額となるため収支管理がしやすいというメリットがあります。
しかし、元金方式と比べて元金が減りにくいので、返済期間が長くなるというデメリットがあります。
リボ払いを利用するメリット・デメリット
リボ払いのメリット
リボ払いの仕組みについて説明しました。
そのうえで、リボ払いを利用するメリットは以下の4つです。
- 家計管理が楽
- 繰り上げ返済もできる
- 一度に全額支払わなくても大丈夫
- クレジットカード会社により変更も可能
上記4つについて詳しく説明しましたので、見てみましょう。
①家計管理が楽
支払額が一定になると、高額な買い物うぃした場合でも、毎月の支出に大きな変動がでません。
たとえば、生活しているなかで家電が壊れてしまった、車の修理が必要になった、結婚式でお祝い金を準備する必要があるなど、生活のなかで突発的に支出が発生することもあります。
一度に引き落とされる金額が大きくなると不安を覚えるでしょう。
また、その不安で収支管理が面倒な事態を引き起こす可能性があります。
リボ払いは突発的に起きる経済的なリスクに対応することができます。
そのため、家計管理を楽にする方法の一つです。
②繰り上げ返済もできる
リボ払いが一定金額支払う制度ですが、手元の金額に余裕ができれば、支払い金額を繰り上げることができます。
繰り上げ返済することにより、支払いの際に発生する手数料を減らすことが可能です。
資金に余裕がないときはリボ払いで支出して、まとまった資金があるときは繰り上げ返済することができる、計画的なお金の使い方をできる点がリボ払いのメリットです。
③一度に全額支払わなくても大丈夫
一括払いの場合、翌月の引き落とし日までに全額を用意する必要があります。
しかし、リボ払いは一度に支払額の全額を用意する必要がありません。
そのため、急な出費がでて利用料金が膨らんでしまった場合は、収入のタイミングが遅れてしまうときなど、一時的に支払いが難しくなるときに便利です。
④クレジットカード会社により変更も可能
クレジットカード会社によっては、一括払いで購入したものに対して、リボ払いに変更できる場合があります。
クレジット会社が定めた期日内であれば支払方法の変更ができるため、「急に大きな買い物をした」「今月振り込まれる予定のものが来月になって支払いが難しくなった」など道程外の事態でも対応できますので、安心ですね。
リボ払いのデメリット
リボ払いにはメリットもありますが、もちろんリボ払いを利用することにデメリットがあります。
利用するにあたり以下4つのデメリットがあります。
- 利息(手数料)がかかる
- 使いすぎる可能性がある
- 返済が長期化する可能性がある
①利息(手数料)がかかる
リボ払いで支払う場合、支払い残高により手数料がかかります。
支払期間が長くなるほど、その分手数料がかかりますので、注意しましょう。
②使いすぎる可能性がある
リボ払いは一括払いと比較して、毎月の支払額を抑えることができます。
しかし、「リボ払いだから大丈夫」と考えると余計な買い物をする可能性がありますので、注意が必要です。
また、リボ払いには手数料がかかります。
無理のない支払い計画を立てて、計画的にリボ払いを使用しましょう。
③返済が長期化する可能性がある
リボ払いは、利用件数や利用額にかかわらず月々の支払額は一定です。
そのため、リボ払いを利用すると利用残高がいくらなのか把握しづらくなります。
ここで、注意するべきことがあります。
リボ払いは場合によっては、支払額の全体像が見えにくいため、全額支払う前に次の利用を繰り返すことになります。
結果的にいつまでも完済できない状況になる可能性がありますので、完済のめどが立たないうちは次の買い物を控えましょう。
リボ払いを利用するときの注意点
リボ払いは便利な返済方法ですが、使用者が使いすぎてしまうと返済が大変なことになります。
リボ払いの返済時は、元金に加えて手数料と利息が発生します。
そのため、借入金額と手数料や利息を合わせた額が返済同額となりますので、複数のリボ払いを使用すると返済期間が長くなります。
発生する利息の金利や手数料などはサービスを提供するカードローン・クレジットカード会社などの提供してくれる会社により異なります。
そのため、契約前に商品の概要を確認するようにしましょう。
支払い残高が膨らみ返済が難しくなった場合
リボ払いで支払いの目処が立たなくなって、どう完済すればよいか分からなくなる場合があります。
そんなときは、債務整理を活用して完済できるようにしましょう。
債務整理とは
債務整理とは、多額な借金を複数業者から抱えて返済の目処が立たないときに、法的に支払いの計画を見直すことができます。
債務整理には以下の4つの方法があります。
- 個人再生
- 任意整理
- 自己破産
- 特定調停
リボ払いが完済しないと、精神的に大きな負担になります。
どうしても返済できない場合は、債務整理することをおすすめします。
リボ払いでも債務整理が可能
債務整理は法的に借金を減額できる制度なので、できる人が限られるかと思います。
ショッピングや買い物による借金でも債務整理をおこなうことが可能です。
リボ払いで債務整理する人の多くは、「任意整理」を選択します。
しかし、借入額や収入により個人にとって最適な方法は異なるため、債務整理する際は司法書士・弁護士などの専門家に相談しましょう。
任意整理とは何か
ここでは、リボ払いの方が多く利用する、「任意整理」について詳しく解説します。
任意整理とは、債務者による任意の借入先の借金を減額できる債務整理の方法です。
債務者とは、特定の人・業者に対して金銭を支払う・物品を譲渡する、法的に義務を担っている人をいいます。
債務者は、簡単にいうと、借金を返さなくてはならない人です。
以下では、債務整理のメリット・デメリットについて解説しましたので、見てみましょう。
任意整理のメリット
任意整理すると、以下3つのメリットがあります。
- 借金の利息をカットできる
- 債務整理の方法を選べる
- 取り立て・督促通知が全くこない
まず1つ目のメリットとしては、リボ払いの元金から積み重なった利息をカットすることができる点です。
たとえば、あなたが300万円の借金があるとします。
任意整理による和解交渉が成立すると、それまで積み重なった利息がなくなり、300万円のみ返済することになります。
10年払いにすると、毎月25,000円になりますので、家計の負担も大きく減らして返済しやすくなります。
任意整理する前はいくら返済しても利息のせいで支払い残高が減らないことがあり、完済するまで難しいです。
しかし、任意整理をおこなうことにより、返済する分の元本の引かれるため、完済の目処が立ち精神的にかなり楽になります。
2つ目のメリットは、債務整理の方法を選べることができます。
そのため、あなたの状況に応じた債務整理の方法を選んで、返済の負担を減らすことができます。
3つ目は、取り立て・督促通知が全くこないことです。
任意整理を含む他の債務整理をおこなうと、司法書士や弁護士などの専門家に依頼した場合は、「受任通知」というものが送付されます。
受任通知とは、司法書士や弁護士などの専門家がカードローン・クレジットカード会社や市消費者金融に送付します。
それを受け取ると、法的な義務として債務者への取り立てや督促をただちに停止しなければなりませんので、債務者の返済に対するストレスが軽減することが可能です。
任意整理のデメリット
任意整理すると、抱えている借金を減額することができますが、減額できた分デメリットもあります。
任意整理のデメリットは、以下の2つがあります
- 借金の減額が低い
- ブラックリストに載る
任意整理は他の債務整理と異なり、借金の元本は減額されません。
元本の利息のみカットするので、借金の減額は低くなります。
大幅な借金を減額したいと考えているならば、個人再生して借金を減額させることをおすすめします。
また、任意整理をおこなうと、ブラックリストに載ります。
ブラックリストとは、信用情報機関に事故情報が登録されることを意味します。
ブラックリストに載ると、カードローン・クレジットカード会社で以下5つの使用に制限がかかります。
- 新規借り入れを受け付けてくれない
- ローンが組めない
- 持っているクレジットカードが使用できなくなる
- 新規クレジットカードが作れなくなる
- 分割払いができない
上記の5つは、5~10年間使用することに制限がかかりますが、借金返済で首が回らなくなったら債務整理することをおすすめします。
リボ払いを使用するべきかどうか
口コミを調べてみるとリボ払いは利用するべきではないという意見が多かったです。
しかし、リボ払いをしっかりした知識・仕組みを理解して利用すれば、急な出費などで困ったときには心強い味方になります。
むやみに使用すると生活を圧迫する原因となりますので、注意してください。
まとめ~リボ払いとは何か~
リボ払いとは、「一定期限まで繰り返し融資を受けられること」をいいます。
そのため、大きい買い物や出費があっても、翌月に繰り越すことができます。
しかし、リボ払いにはメリット・デメリットがありますので、もう一度見てみましょう。
まずは、リボ払いのメリットです。
- 家計管理が楽
- 繰り上げ返済もできる
- 一度に全額支払わなくても大丈夫
- クレジットカード会社により変更も可能
次に、リボ払いのデメリットです。
- 利息(手数料)がかかる
- 使いすぎる可能性がある
- 返済が長期化する可能性がある
リボ払いを利用することを考えている方は、メリット・デメリットをしっかり把握したうえで、返済計画をしっかり立てて利用しましょう。