消費者金融のカードローンやキャッシングは、給料日の前なのに急にお金が必要になった場合など、お金に困った時に大きな役に立ってくれるサービスです。
ただ、将来自分で家を持ちたいと思った時に、消費者金融を利用していると住宅ローンに通らないのではないかと、心配になってしまう人もいるかも知れません。
ここでは、そういった疑問に対する答えを始めとして、消費者金融の利用が住宅ローンに与える影響や、住宅ローンの審査方法などについて解説します。
消費者金融の利用は住宅ローンに影響する?
消費者金融を利用すると住宅ローンは通らないのかという疑問について考えるには、まずは住宅ローンの審査とはどういうものなのかを知っておくことが肝心です。
住宅ローンには二種類の審査がある
住宅ローンの審査と一口に言っても、実は申し込む場合に受けることになる審査は一つではなく、事前審査と本審査という二種類の審査を受けることになります。
事前審査
事前審査は、住宅ローンに正式に申し込む前に行われる準備的な審査です。
住宅を売買する前に、その申し込み者が住宅ローンを借りられる人がどうかの目星をつけておくことが主な目的となります。
この事前審査では、基本的に自己申告を元にして、申し込み者の年収や職業などから返済能力や信用が判断されるのですが、カードローンなどの消費者金融の利用についても確認が行われます。
本審査
事前審査が通って、物件の売買契約などを交わした後に行われるのが本審査です。
この本審査では、基本的には事前審査と同じような点について判断されるのですが、所得などを証明するための書類の提出が要求されたり、金融機関だけではなく保証会社によって判断が行われたりといったように、事前審査よりも詳細で厳しい審査となります。
消費者金融の利用についても、契約の内容やローンの残高を証明するための書類を提出する必要があります。
消費者金融を利用していると住宅ローンの審査に通らない可能性がある
ここまで見てきたように、住宅ローンの審査においては事前審査と本差審査という二段階の審査において、消費者金融の利用が問題となって来ます。
その際に、消費者金融の利用があれば絶対に住宅ローンが通らないかと言うと、必ずしもそうではありません。
個々の金融機関によって審査基準が異なるので、不可能だとまでは言えないのですが、通りにくくなることは確かです。
消費者金融を利用しているということは、経済的に余裕がない、さらに言えば困窮している人なのだと判断されやすいからです。
また、1社の金融機関で借りているだけでも通りにくくなるのに、2社以上から借りているとなると、住宅ローンに通るのはかなり難しいということは覚悟しておかなければなりません。
住宅ローンの審査では何がポイントか?
消費者金融の利用だけではなく、住宅ローンの審査においては色々な点を判断されることになります。
住宅ローンの審査では主に何がポイントになるのかと言うと、申し込み者の返済能力と信用性です。
申し込み者の返済能力
住宅ローンは一般的に返済期間が長くなるため、申し込み者の返済能力が十分と言えるかどうかはとても大事なポイントです。
職業
申し込み者の返済能力を審査する際には、職業が重要な判断材料となります。
最低でも3年以上同じ勤務先で働いているような、勤続年数の長い正社員であれば安定した収入が見込まれるため、返済能力は高いと判断されます。
逆に勤続年数が3年未満だったり、長く勤務していても派遣社員や契約社員だったりする場合には、収入が不安定だと判断されてしまうことが多いです。
年齢
職業とともに重要な判断材料となるのが、申し込み者の年齢です。
この場合には、申し込み時よりも完済時の年齢が重要となって来ます。
返済能力を考えるには、完済するまで働けるかどうかが重要だからです。
申し込み者の信用性
例え安定した収入があったとしても、その人の経歴を見て信用性が低いと判断されれば、審査に通らない可能性が高くなります。
日本には個人の信用情報を管理している機関が3つ存在しており、それらの保持している信用情報を金融機関が確認して、例えば借金の返済が遅れているといったように、問題が認められれば信用性が低いと判断されてしまいます。
完済しているのは原則!5年以上経過が理想的
消費者金融を現在利用しているのではなく、過去に利用したことがある場合はどうかと考えると、利用中の場合よりは通りやすいと言えるでしょう。
ただし、この場合にも重要となる条件があります。
完済しているのが原則
過去に消費者金融を利用したことがある人が住宅ローンの審査に通るためには、完済していることが大事な条件となります。
消費者金融を利用しなければならない経済状況にあったと思われてしまうかも知れませんが、それでも完済していると利用中の場合よりも印象が良いことは確かだと言えます。
完済から5年以上経過していることが望ましい
ただ完済しているだけではなく、完済から5年以上経過しているとなお良いと言えるでしょう。
完済してから5年以上経っていれば、信用情報からその借り入れに関する記録が消えていると考えられるからです。
ただし、それ以外にも様々な条件が総合的に判断されることになるため、完済してから5年以上経過しているという条件を満たしていたとしても、審査に通らない場合があることも知っておいた方が良いでしょう。
完済ではなく解約しているかどうか注意
信用情報から借入に関する記録が消えるのは完済から5年が経過した後だとは言っても、実は完済した時点から5年経てば無条件で消えるというわけではありません。
消費者金融とカードローンなどの契約を結んだ場合には、完済した後に解約することでその契約が終了するので、正確に言うと解約してから5年後に消えるのです。
完済した後にはきちんと解約しておこう
消費者金融からの借り入れを完済したことで安心して、解約することを怠ってしまったら、その記録は消去されることなく残ったままになってしまうことには注意が必要です。
それでは完済から5年以上たった後に住宅ローンを申し込んでも、審査に通らない恐れが大きくなってしまいます。
したがって、特に将来住宅ローンを組む予定があるという人は、完済したら解約まできちんと済ませておくことが肝心です。
消費者金融以外で注意したい借入れは?
消費者金融からの借り入れ以外にも、申し込み者の信用性に影響を与える要素はいくつか考えられます。
消費者金融以外からの借り入れ
まず注意した方が良いのは、消費者金融以外から借り入れをしている場合です。
意外に思われるかも知れませんが、クレジットカードのキャッシングや銀行のカードローンのように、一つ一つを見れば小さい金額のものにも注意が必要となります。
個々の借り入れがいかに細かくても、件数が多かったり、利用が頻繁に行われていたりするようだと、経済的に困窮しているのではないかと思われる恐れがあるからです。
キャッシング枠やカードローン枠にも注意しよう
金融機関によっては、例え借入がなくてもキャッシング枠やカードローン枠が存在しているだけで、審査に通らない恐れがあることにも注意した方が良いでしょう。
できればクレジットカードのキャッシング枠をゼロにしたり、カードローン枠を解約したりしておく方が安心です。
携帯電話を分割購入した場合の支払い
携帯電話会社と契約する際に、本体の購入金額を分割払いにする人は大勢いるでしょう。
この場合の月々の支払金額はそれほど大きくないのですが、それでも支払いが遅れることで信用情報に傷が付いてしまうことがあります。
そうならないように、毎月の支払いはきちんとしておくことが肝心です。
信用情報の開示請求をして確認しておく
ここまで見てきたように、住宅ローンの審査に通るかどうかには、カードローンなどの消費者金融の利用を始めとして、申し込み者の信用情報が大きく影響してきます。
ここで注意するべきなのは、自分では信用情報に問題がないと思っていても、意外なことでそれに傷がついている場合があり得るということです。
自分の信用情報を確認しておくと良い
そのようなトラブルを避けるためには、住宅ローンなどの大切なローンの申し込みをする前に、信用情報を管理している機関に開示請求をすると良いでしょう。
3つの機関の中から、住宅ローンの申し込み先が利用しているところがどこかが分かる場合には、そこに1,000円程度の手数料を支払って開示請求すると、簡単に信用情報を確認することができます。
もしどの機関に請求すれば良いかが分からなければ、3つ全てに開示請求をして、それぞれが保管する信用情報をチェックしておけば安心です。
消費者金融は上手に利用しよう
カードローンなどの消費者金融の利用が信用情報に影響する場合があるとは言っても、完済してから解約しておくなど対応をきちんとしておけば、必ずしも住宅ローンの重大な障害になるわけではありません。
住宅ローンの審査について必要以上に警戒するのではなく、信用情報などに関する正しい知識を身に付けておき、必要な場合には消費者金融を上手に利用することが肝心なのです。