初心者が知っておくべき投資信託の基礎知識【FPが優しく解説】

お金の悩み

「老後2,000万円問題」が話題になってから投資による資産形成が注目されています。

「老後2,000万円問題」とは金融庁の金融審査会がまとめた報告書で、収入を年金のみに頼る無職世帯が老後2,30年を過ごすために約2,000万円の老後資金が必要だという内容が記載されたところから大きな話題となりました。

老後資金設計をしっかり行わなければいけないという点については以前から指摘されていたことですが、マスコミが話題に挙げたことで話題を集めました。

そこで若い世代でも家計の見直しや運用を考える人が増えたのですが、どうしても運用となると初心者には難しいというイメージがあるようで、どうやって始めたらいいかわからない、どういうものなのかわからないといった声が多く聞かれます。

そこで、この記事では初心者の方でも始めやすい「投資信託」について説明をしていきたいと思います。

【今回の記事でわかること】

  • 投資信託は初心者にオススメ
  • 投資信託がおすすめな理由
  • 投資信託はどこで購入できる?
  • 投資信託を買うときに知っておくべき費用
  • 投資信託にはどんな種類があるのか?

この記事を書いた人
志塚 洋介

専門・得意分野:資産運用・相続・遺言・許認可・各種文書作成
所有資格:行政書士、CFP・1級FP技能士、宅建士、マンション管理士

投資信託は初心者にオススメ

資産運用のための金融商品は株、債券、FX、仮想通貨など多種多様の商品が存在しています。

また、株式を一つとってみても、国内の上場企業だけでも3,000以上の銘柄があり、どの銘柄が儲かるのか勉強しなければなりません。

また、金融商品の中にはかなり複雑化した商品もあり、どういった商品なら安心して投資できるのか初心者にはとても難しいです。

そういった難しさをクリアした商品が「投資信託」なのです。

投資信託とは

投資信託協会によると、「投資信託」とは、「投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」とされています。

広く投資家から資金を集めて大きな資金にし、それを様々な商品に分散投資をする商品だということです。

投資信託がおすすめな理由

投資信託のメリットは以下の5つが挙げられます。

  1. 少額からでも投資できる
  2. 分散投資ができる
  3. プロが運用してくれる
  4. 投資しにくい海外商品にも投資できる
  5. 透明性が確保されている

ここからは、この5つの理由について細かく見ていきましょう。

1:少額からでも投資できる

国内の上場株式は現在すべて100株単位で取引されており、株価×100株がその株の最低取引単位になります。

500円の銘柄であれば50,000円から取引可能ですが、ユニクロでおなじみのファーストリテイリングの株価は約100,000円ですので、取引には最低でも1,000万円が必要です。

投資信託では100円から投資を行うことができます(商品によっては1,000円からのものもあります)。

少額から投資を行うことができるため積み立て投資にも向いています。

2:分散投資ができる

資産運用を行う際は分散投資を行い、リスクを抑えることが重要です。

特定の銘柄だけ保有していると、資産内容がその銘柄の価格によって大きく左右されてしまうことになります。

そのため、投資をする際には複数の銘柄に投資し、資産の変動がなるべく緩やかになるようにリスク管理を行うことが重要です。

投資信託を活用すれば、多くの種類の商品・銘柄に投資しますので、株式・債券・REITなど資産クラスの分散もできますし銘柄の分散をすることもできます。

3:プロが運用してくれる

投資を行う場合、どの銘柄が上がるのかを判断するためには経済環境を考えたり、個々の企業の研究をしたりしなければならず、個人の投資家がそこまで調査をするのはなかなか難しいです。

また売買のタイミングも自分で判断しなければならず、マーケットをチェックできていないと、利益を上げるチャンスを失ってしまうこともあります。

投資信託はファンドの基本方針に従ってプロのファンドマネージャーが投資家に代わって運用します。

投資家は売買のタイミングやどういった銘柄を組み入れるかという銘柄選別を行う必要がありません。

投資初心者の方にとってはとても大きいメリットだといえるでしょう。

4:投資しにくい海外商品にも投資できる

国内の株式や債券であればある程度は情報を入手することもできますし、取引が制限されることもそんなにはありません。

しかし、海外の商品となると情報を入手しにくくなりますので、銘柄選別や売買タイミングを判断するのは容易ではなくなります。

さらに、海外の商品では、個人では投資できない商品も多く存在します。

投資信託では海外の商品でも細かく勉強することなくファンドマネージャーに情報収集と銘柄選択をお任せすることができます。

また、個人では買えない商品も投資信託であれば購入できるというものもありますので、幅広い商品を投資対象とすることができます。

5:透明性が確保されている

投資信託は、株式における株価と同様に、「基準価額」というものが存在し、毎日公表されています。

この基準価額は日経新聞や運用会社のホームページ、各種情報サイトで確認することができます。

ホームページなどでは過去の基準価額の推移や分配金などの動向を見ることも可能です。

その他、目論見書や月次レポート、運用報告書など多くの書面による投資信託の内容や運用状況の説明がされていますので透明性が高いといえます。

また、投資信託も上場企業と同様に決算を行い、その決算の内容は監査法人による監査を受けなければなりません。

そういった面からも安心して投資できる商品だということができるでしょう。

投資信託はどこで購入できる?

投資信託を買うには大きく分けて3つの方法があります。

  • 証券会社
  • 銀行
  • 運用会社から直接買う

投資信託は証券の一種ですので証券会社の口座を開くことによって購入することができます。

証券会社は基本的にリスクのある商品を扱っています。

世界の株価や金利の動向などの情報を普段から扱っているため、投資信託の情報についても今後の見通しなどの説明を受けることができますし、資料も豊富に用意されているので、多くの情報を入手しつつ納得したうえで投資することができます。

銀行でも投資信託を購入することができます。

銀行では銀行口座の内容や、その他の資産の内容を把握したうえで商品の提案をすることができますので、トータルとしての資産設計の面から有効な投資信託の提案を受けることができます。

一部の投資信託では、運用会社から直接買うことができます(直販)。

直販でしか買えない商品もありますし、運用会社から直接買うことになりますので、その投資信託に関するレポートやセミナーなど情報が充実しており、保有している商品の内容を詳しく知ることができます。

投資信託を買うときに知っておくべき費用

投資信託を売買すると費用が発生します。

投資信託にかかる費用は運用成績にも大きく作用しますので、以下で費用の性質を把握したうえで、パフォーマンスの良い商品を探しましょう。

販売手数料

販売会社(証券会社や銀行など投資信託を投資家に販売する金融機関)が投資家からもらう手数料です。

購入する金額に対して何%という形で決められており、購入する時だけ発生する費用です。

販売手数料が発生しない投資信託も存在し、そういった投資信託はノーロードと呼ばれています。

信託報酬

運用会社・販売会社・信託銀行が日々投資信託の財産から受け取る手数料で、運用手数料のようなものです。

信託財産(投資信託の財産)の純資産総額の何%という形で決められており、毎日信託財産から差し引かれています。

投資信託を保有している間はずっと発生する費用ですので、長く保有すれば保有するほど信託報酬の差がパフォーマンスに影響を与えることになります。

一般的に株価指数などに連動するインデックスファンドと呼ばれるものは信託報酬が低く設定されている傾向があります。

監査報酬

前述したとおり、投資信託は決算ごとに監査法人の監査を受けなければなりません。

その監査の際に発生する費用が監査報酬で、信託財産から間接的に支払われます。

売買委託手数料

こちらも信託財産から間接的に支払われる費用ですが、投資信託が組み入れている株式を売買する際に証券会社に対して払う費用です。

発生する都度発生するため、組み入れ割合の変動が大きい投資信託ほど売買委託手数料が大きく発生することになります。

信託財産留保額

主に投資信託を解約する際に、解約する人が投資信託に留保するペナルティのような費用です。

投資信託の解約が発生した場合、組み入れている株式などを売却してキャッシュにしなければなりません。

この際、ファンドマネージャーの意図していないタイミングで売却しなければならず、また、売買委託手数料も発生してしまいますが、こういった費用を解約した投資家以外の人も負担しなければなりません。

これを解約する人に負担させるために投資信託に一定割合をおいておくことを定めているのです。

信託財産留保額は発生しない投資信託も多いです。

投資信託にはどんな種類があるのか?

国内で設定されている投資信託は約6,000本あるとされています(投資信託協会HP)。

この多くの投資信託をいくつかの分類方法でタイプ別に分類し、どういった種類があるのかみていきたいと思います。

運用方法による分類

インデックスファンド

日経平均株価やNYダウなど株価指数(インデックス)に連動するように設計されている投資信託です。

投資信託の中身の配分割合が指数のウエイトと同じになるように作られていますので、指数をみておけば投資信託の運用状況が把握できわかりやすい商品です。

一般的にインデックスファンドは銘柄選定の手間があまりかからないためほかの投資信託よりもコスト(信託報酬)が低めに設定されています。

アクティブファンド

インデックスを上回る運用成果を目指す投資信託をアクティブファンドといいます。

積極的な運用を行うたので、ファンドマネージャーの手腕が問われます。

そのため信託報酬などのコストがインデックスファンドよりも高めに設定されています。

また、一般的にはインデックスファンドよりもリスク・リターンが高い傾向にあります。

投資対象地域による分類

大きく国内と海外に投資するものに分かれます。

海外に投資するものの中でもアメリカ、ヨーロッパなど先進国に投資するものと、中国・インドをはじめとする新興国に投資するものに分かれます。

国内にのみ投資するものは為替リスクが発生しないため、海外に投資する投資信託よりリスクは低くなります。

また、同じ海外に投資する投資信託でも新興国にのみ投資するものは先進国にのみ投資するものと比べて高い成長性が期待できる分、リスクも高くなる傾向があります。

投資対象資産による分類

株式や債券など幅広い投資対象があります。

株式

企業が出資者に対して発行する証券のことです。

取引所で売買することができ、企業の業績が良いとその会社の株価が上昇します。

株式に投資する投資信託は値上がりを期待することもできますし、それ以外にも配当を受け取ることもできます。

大きく値上がりする可能性がありますが、その分リスクは高めです。

債券

国や地方公共団体、企業が発行する借金借用証書が債券です。

発行元が破綻しなければ元本が戻ってくるため、安定的な投資資産とされており、大きな値上がりを期待するものではありませんが、リスクも低くなっています。

REIT(不動産投資信託)

複数の不動産に投資し、賃料収入や不動産の売却益を得る投資信託の一種です。

REITは法律上配当可能利益の90%超を投資家に分配することで分配金に当てた所得を非課税とすることができるようになっています。

つまり、利益のほとんどを分配するため、分配金利回りが高いというのが特徴です。

コモディティ

原油・金・大豆などの商品(コモディティ)を対象としている投資信託もあります。

コモディティ市場は株式市場との相関性が低く特に金は安全資産と位置付けられており、株式と組み合わせて投資すると分散効果がより発揮できると考えられています。

一方値動きが非常に荒いためハイリスクハイリターンの商品だとされています。

その他、1つの投資信託で様々な投資対象を組み入れてしまうバランス型ファンドというものもあります。

また、分配金を出す頻度による分類し、中でも毎月分配金を出す毎月分配型ファンドなども有名です。

まとめ

以上のような投資信託の基礎知識を頭に入れていただいたうえで、どういった商品が自分に合っているのか、これからの資産設計を考える上でどういうタイプの投資信託を保有すべきかを考えていくことが重要です。

また、投資信託であれば、iDeCoやNISAなどの税制優遇制度を活用することもできますので、そういった制度も使いながら将来の資産設計をしていきましょう。

この記事を書いた人
志塚 洋介

専門・得意分野:資産運用・相続・遺言・許認可・各種文書作成
所有資格:行政書士、CFP・1級FP技能士、宅建士、マンション管理士

証券会社で個人の資産コンサルティング業務を経験。不動産会社へ転職し管理不動産の入出金管理を行う。その後独立し、行政書士として独立開業し、相続・遺言の手続き代行など民事を中心に、FPとしては証券会社での経験を活かし資産運用や不動産関連を中心にアドバイスやセミナー、執筆活動など幅広く業務を行っている。また、YouTubeでの投資情報動画も好評。

HP:志塚行政書士FP事務所