「希望小売価格」とは!「定価」「オープン価格」との違いを徹底解説

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お金の悩み

希望小売価格って何?

メーカーや卸売業者が設定している価格のことです!

希望小売価格という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。

他にも定価やオープン価格など、モノの値段にはさまざまあります。

それぞれの違いを明確にするためにも、まずは希望小売価格について詳しく把握しておきましょう。

他の価格との違いについても解説していきます。

世の中のルールを知って、日々の買い物に役立ててくださいね。

【今回の記事でわかること】

  • 希望小売価格とは
  • 世の中にある3つの価格
  • それぞれの価格の特徴をまとめてみた
  • どの価格を見て買い物をするべきなのか

希望小売価格とは

そもそも希望小売価格とはどういったものなのでしょうか。

文字の通り、メーカーや卸売業者が設定している価格のことを「希望小売価格」といいます。

参考小売価格ともいわれ、メーカーが「これくらいの収益が欲しいから個の値段で売ってほしい」という目安の値段です。

あくまで希望の価格であり目安でしかないため、実際は希望小売価格とは違う価格設定で売られることもあります。

希望小売価格の仕組み

希望小売価格についてもっと詳しく知るためにも、商品が売られる流れを確認してみましょう。

商品を作っているのはメーカーです。

その商品を小売業者が店頭に並べて消費者へ販売しています。

つまりメーカー→小売業者→消費者の流れとなっているわけです。

例えば500円で店頭に並んでいる商品があるとします。

メーカーが小売業者に売る価格は400円、これは出荷価格です。

希望小売価格は600円とメーカーが提示していたとしましょう。

実際は500円で店頭に並んでいるわけですから、希望小売価格を下回っていることになりますね。

もしかすると「希望小売価格より100円引き!」なんて売り文句が添えられているかもしれません。

このように希望小売価格を下回るケースは珍しくありません。

希望小売価格からここまで安くして売っている、お得ですよとアピールできるわけですね。

独占禁止法があるからこその“希望”小売価格

小売業者が実際に店頭でいくらにして売るのか、メーカーは指定することができません。

独占禁止法によって禁じられており、あくまで希望を伝えることしかできないのです。

だからこその希望小売価格であり、希望通りに行くとは限りません。

元々はメーカー側が決めた価格で商品が販売されていました。

しかし場合によっては小売業者側に不利な条件となる場合もあり、採算が取れなくなるケースがあったのです。

結果、小売業者の立場を守るためにも希望小売価格が採用されていきました。

確かに5,000円で売ってくれと言われて、値段設定が高すぎて商品が売れなければ小売業者にとっては痛手ですよね。

価格を上回ることもあれば下回ることも

希望小売価格よりも低い価格で売れば、小売業者は「こんなにうちの店だとお得に買えるよ」とアピールできます。

希望小売価格1万円のところ、5,000円で販売されている商品はどうでしょうか。

そう聞くとお得に感じますよね。

しかし実際は相場がそもそも5,000円だったなんてこともありえます。

どこのお店でも5,000円値引きされているパターンです。

そうなれば他のお店よりお得とはいえませんよね。

逆に希望小売価格を上回るケースもあります。

例えば自動販売機で売られている飲み物の価格。

場合によっては通常よりも高い金額で売られているものを見たことがある人も多いことでしょう。

山奥や遊園地などでは、通常よりも高い金額で売られています。

山奥にあるからこそ輸送コストが高くなるためそれを反映していたり、そこでしか買えないという限定性から価格が上がってしまうのです。

あくまで希望小売価格ですから、高くしても安くしても問題はないということですね。

希望小売価格より安いからってお得とは限らないんだね

他のお店とも比較する必要があるのです

世の中にある3つの価格

価格にはいろいろありますが、中でも消費者が目にする価格を3つ解説します。

それは以下の3つです。

  • 定価
  • 希望小売価格
  • オープン価格

1つずつ確認していきましょう。

定価

定価とは、メーカーによって定められた価格のことです。

どこで買っても同じ値段であり、値引きをされたりすることはありません。

通常メーカーが価格を定める、拘束することは独占禁止法によって禁じられています。

ただし「文化の復興上必要」と認められている商品に関しては定価の設定が認められているのです。

価格を拘束する定価ですが、小売業者は商品が売れ残ってしまった場合メーカー側に返品できるというメリットがあります。

価格を動かせない以上、安い値段で在庫処理できなくなるわけですから、妥当な条件といえますね。

定価が認められている商品

  • 書籍・新聞・CDなどの著作物
  • タバコ

再販売価格維持制度によって、価格が拘束されている商品です。

定価から値引きすることはできません。

とはいえ、一定期間を過ぎれば割引価格で販売可能なものもあります。

希望小売価格

希望小売価格とは、メーカー側が小売店に希望する売ってほしい価格のことです。

希望であり拘束力はありません。

小売業者にとっては、希望小売価格よりも低い値段にすれば消費者にはお得に見えるというメリットがあります。

しかし他の店舗でも同じように値段が低くなってしまえば、そのお得さは錯覚でしかありません。

このような二重価格表示問題が起きたことによって、新たにオープン価格というものが採用され始めました。

二重価格表示問題とは

二重価格表示問題とは、商品やサービスの価格を実際よりも著しく安い・お得だと思わせる価格表示のことです。

「不当景品類及び不当表示防止法」という法律で二重価格表示をしてはいけないと定められています。

違反した場合は2年以下の懲役300万円以下の罰金が。

偽りの希望小売価格や根拠のない平均価格を利用して、安く見せることも二重価格表示にあたります。

消費者にとっては損でしかありませんから、当然の措置といえますね。

オープン価格

オープン価格とは、小売店が販売価格を自由に決められることを指します。

ようするにメーカー側が価格の希望を提示しないということです。

希望小売価格に対して、小売店が値引きをして「うちの店は他よりお得だ」という値引き競争が起こったことにより登場した価格です。

小売店がどこも値引きをしているのに「うちの店だけ安い」と誤認させている点が問題となりました。

メーカーが価格を希望しないことで、割引をさせなくしたわけですね。

メーカーの希望価格とのギャップをなくすことでブランドイメージを守る意味合いもあります。

確かに希望価格の半額で勝手に売られてしまえば、安物のイメージがついてしまいかねません。

家電製品に良く使われているのがオープン価格です。

小売業者が価格を設定する性質上、メーカーの商品カタログを見ても「価格が掲載されていないからいくらかわかない」というデメリットがあります。

小売業者が価格を設定するため、業者によっては大きく値段が違う可能性があるという点にも注意が必要です。

いろんな価格があるんだね!

消費者であれば最終的に気にするべきは実際に売られている価格です

それぞれの価格の特徴をまとめてみた

定価・希望小売価格・オープン価格の特徴を表にまとめてみました。

定価 希望小売価格 オープン価格
価格変更 ×
割引表示 ×
主な対象 著作物・タバコなど 家電・タイヤなど
価格決定者 メーカー メーカー 小売店

定価は、小売店からすれば価格を動かせない点がデメリットであり、返品できる点がメリットです。

買う側からすれば価格が変わらない点がメリットといえますね。

希望小売価格は、小売店からすれば割引でお得に見えるようにできる点がメリットです。

一方買う側からすれば、商品の本当の価値がわかりづらい点がデメリットとなります。

オープン価格は価格競争が起こりやすいため、買う側からすれば安く買える可能性が高い点がメリットですね。

実際の例

定価でいえばたばこがわかりやすい例でしょう。

どこで買っても同じ値段、それが定価です。

希望小売価格は主に割引表示の際に使われることが多くなっています。

「希望小売価格の50%で販売!」など割引やセールで見かけます。

オープン価格は家電でよくみられる価格。

メーカーのサイトに行っても商品の値段はわからないため、実際に売られているところにいかないといくらか判断はできません。

意識して価格をみてみようっと

どの価格を見て買い物をするべきなのか

定価・希望小売価格・オープン価格、それぞれの違いはわかりましたが、それでは買い物の際にはどこに注意すればいいのでしょうか。

定価の物はどこでも同じ値段ですから問題はありません。

問題は希望小売価格とオープン価格です。

希望小売価格の場合、本当にその価格が正当な金額設定なのか判断する必要があります。

希望小売価格から安いとしても、どこの店舗でも安くなっていたら、希望小売価格ほどの価値がそもそもないともいえるのです。

実際の価格をいろいろな店舗で比較してみましょう。

オープン価格も同じです。

メーカーが価格を指定しない以上、売られているお店ごとで比較するしかありません。

ネットで検索すればある程度の相場はわかるでしょう。

とはいえ少しでも安く買いたいのであれば、とにかく比較を繰り返していくしかないのが現状です。

大切なのは実際に売られている価格なのです。

とにかく比較です!

まとめ

【希望小売価格とは】

  • メーカーや卸売業者が設定している価格
  • あくまで希望の価格であり目安
  • 独占禁止法があるからこその“希望”小売価格
  • 価格を上回ることもあれば下回ることも

【世の中にある3つの価格】

  • 定価
  • 希望小売価格
  • オープン価格

【どの価格を見て買い物をするべきなのか】

  • 定価はどこでも同じ価格だから問題ない
  • 実際の価格を色々な店舗で比較する
  • 大切なのは実際に売られている価格

おわりに

メーカー、小売店・消費者それぞれの立場があるからこそ価格決定は難しいものです。

ビジネスの目線で立てば、安くなることはメリットとは言い切れません。

しかし消費者目線でみれば、安くなればなるほど嬉しいですよね。

価格はいろいろな立場があるなかでバランスがとられているのです。

いちど立ち止まって、価格設定が間違っていないか考えてみてはいかがでしょうか。

自分にとって本当にお得かどうか、よく考えてみたいね

見せかけの数字に騙されないようにしたいですね